普段通りのスキンケアを続けているにも関わらず40代から顔の脂がすごくなり、肌の調子が整わない… 毛穴の開きやニキビも気になる… そのように感じる人は、スキンケアや生活習慣を見直すタイミングかもしれません。
40代で顔の脂がすごくなる原因と改善対策を知り、トラブルに悩まない理想の肌を手に入れましょう。
40代の肌の特徴3個
30代から40代前半にかけては肌の衰えを実感する人が多く、エイジングサインが目立ち始める年代です。40代後半になると、加齢による影響がより顕著に生じます。40代の肌によく見られる特徴は、以下3個です。
1. 乾燥しやすい
まず、肌の乾燥です。出産直後の赤ちゃんの水分量を100とした時、40代の肌の水分量は半分程度と言われます。肌自体が変化しているにも関わらず同じスキンケアを続ければ、かさつき・突っ張りなどのトラブルはみるみるうちに悪化します。
40代の肌で乾燥が悪化する原因の1つは、ヒアルロン酸やセラミドなどの減少です。ヒアルロン酸やセラミドは、肌内部の水分をつなぎ止めるために重要な成分。意識的な保湿によって減少した成分を補わなければ、肌の調子は整いません。
2. ハリや弾力が失われる
40代の肌では真皮層のコラーゲンやエラスチンも減少し、ハリや弾力が失われます。「肌が何となくしぼんできた」「ほうれい線が深くなった」などの悩みは、ハリや弾力が失われていることを顕著に示すサインの1つです。
肌が乾燥していると余計にハリや弾力は失われて、見た目年齢を老け込ませます。
肌のハリや弾力が失われる主な原因は、繊維芽細胞の働きの低下です。繊維芽細胞はコラーゲンやエラスチンを生成するもの。加齢の影響で繊維芽細胞がきちんと働かなくなれば頬やフェイスラインがたるみ、ほうれい線などのエイジングサインが目立ってきます。
3. くすみやシミが悪化する
肌が乾燥しているとターンオーバー周期が乱れて、角質が肥厚します。正常に剥がれなかった角質が肌表面に滞留すると微細な凹凸ができて、くすみが気になり始めるでしょう。
40 代後半には肌の糖化の影響で、黄ぐすみが気になり始めることもあります。黄ぐすみとは、肌全体が黄色っぽく見えるくすみのことです。
また、ターンオーバー周期の乱れた肌ではメラニンの排出が滞ります。結果としてシミが一気に増えて、老け込んだ印象になりがちです。
40代で顔の脂がすごい原因4個
40代では一般的に顔の脂が減少し、肌は乾燥しやすくなります。40代で顔の脂がすごい人は、以下の原因を疑いましょう。
1. 洗顔やクレンジングの誤り
「顔の脂が気になるから」と1日に何度も洗顔したり刺激の強い洗顔料を使用したりするとバリア機能が低下して、余計に皮脂が分泌されます。
40代はただでさえ肌が乾燥しやすく、刺激に対して敏感になる時期。もともと弱っている肌に誤った洗顔やクレンジングで負担をかければ余計にバリア機能は低下し、「顔の脂がすごい」という状況になりかねません。
2. 過剰なストレス
40代は仕事で責任あるポストを任される・両親の介護に直面するなど、ライフスタイルが大きく変化しやすい時期です。また、40代の女性の中には更年期の症状が始まり、わけもなくイライラしたり大きな不安を感じたりする人もいます。
ライフスタイルの変化や更年期の影響で過剰なストレスを感じることは自律神経を乱れさせて、肌の不調を引き起こす原因です。「顔の脂がすごい」と感じることも、肌の不調を示すサインの1つ。肌の状態を整えるためにはストレスを抱えこまず、心身をいたわる生活に切り替えましょう。
3. 保湿不足
顔の脂が気になって乳液やクリームを省略すると十分な保湿を行えず、過剰な皮脂が分泌されることもあります。
まして、40代の肌はただでさえ乾燥しやすく、刺激に対して敏感な状態です。肌を健やかに維持するために必要な成分を十分に補うためにも、日々の保湿は欠かせません。
ただし、肌の乾燥を気にするあまり必要以上に保湿することもまた、顔の脂を増やしてしまう原因です。顔の脂が気になる時には、必要以上にこってりとしたクリームを使用したりベタつくほど化粧水を入れ込んだりすることは控えてください。
4. 生活習慣の問題
皮脂の分泌量は、生活習慣の影響を大きく受けます。たとえば、脂質や糖質に偏った食事は大量のビタミンB群を消費し、余計な皮脂を分泌させる原因です。
脂質や糖質を適量に控えるためにはコンビニや外食に頼り切った生活を止めて、意識的に自炊を行う必要があります。カフェインや香辛料が豊富に含まれる食べ物を頻繁に食べることも、顔の脂をすごくする原因の1つです。
その他には不規則な生活リズムが、過剰な皮脂を分泌させるリスクがあります。不規則な生活リズムは自律神経・ホルモンバランスを乱れさせて、皮脂の分泌量をコントロールしにくくなることが理由です。夜更かしする日が多く、睡眠不足になることも同様の理由から、顔の脂をすごくするリスクがあります。
40代の顔の皮脂対策5個[スキンケア]
40代の肌に合うスキンケア方法を守ることが、顔の脂を改善するための近道です。具体的には以下のポイントを守り、スキンケア方法の見直しを進めましょう。
1. 誤った毛穴ケアを止める
誤った毛穴ケアは肌に大きな負担をかけて、過剰な皮脂を分泌させる原因です。以下の毛穴ケアはすべて肌に負担をかけやすい「NGケア」にあたりますから、今すぐにでも止めましょう。
・剥がすタイプの毛穴パックを頻繁に使用する
・毛抜きやピンセットで角栓を抜き取る
・洗顔ブラシでゴシゴシ洗う
・冷水洗顔で開いた毛穴を引き締める
・さっぱり系の基礎化粧品を愛用する
極力肌に負担をかけずに毛穴ケアを行うためには、塗るタイプのピーリング(角質ケア美容液)を活用しましょう。塗るタイプのピーリングは40代のごわつく肌を柔らかくほぐし、化粧水や美容液の浸透を促す働きも期待されるアイテム。酵素洗顔料やゴマージュに苦手意識を持つ人でも、比較的安心して、毛穴ケアを行えます。
2. 洗顔料選びを見直す
40代の洗顔では不要な汚れをきれいに落とし、必要な皮脂は残してくれる洗顔料を選択する必要があります。以下のポイントを意識して、40代の肌に適した洗顔料を選択しましょう。
・アミノ酸系かベタイン系の洗浄成分を配合している
・保湿成分を配合しており、肌を乾燥させにくい
石鹸系の洗浄成分を配合している洗顔料は汚れを落とす力が強すぎて、40代の肌を余計に乾燥させるリスクがあります。
角質ケア成分の配合されている洗顔料も比較的、肌を乾燥させやすい商品です。保湿成分が配合されており、汚れを落とす力が適度な洗顔料を選択すれば、弱った肌をいたわりつつ、きれいに汚れを落とせます。
3. ビタミンCローションで過剰な皮脂を抑える
洗顔で汚れを取り除いた後にはビタミンCローションを塗り、過剰な皮脂を抑えます。ビタミンCローションとは、ビタミンCやビタミンC誘導体の配合されている化粧水です。
ビタミンC誘導体は、ビタミンCの不安定で壊れやすい性質を解消して作られた成分。一般的にはビタミンCよりビタミンC誘導体の配合されているアイテムを選択した方が、肌に対して高い効果を期待できます。
なお、ビタミンC・ビタミンC誘導体のいずれかが配合されている化粧水を使用するにしても、塗り過ぎはハイリスクです。ビタミンCローションを塗る際には必ず商品指定の適量を確認し、優しく顔になじませてください。
乾燥して弱った40代の肌は、コットンの繊維を刺激に感じることもあります。肌に対する負担を軽減するためにもビタミンCローションは、手で塗ることがおすすめです。
4. 保湿力の高い美容液を活用する
乾燥による過剰な皮脂を抑えるためには保湿力の高い美容液で、40代の肌に不足している成分を補います。コラーゲン・ヒアルロン酸・セラミドの含まれる美容液は、40代で乾燥が気になる肌におすすめです。
・コラーゲン
人間の肌にもともとあり、肌のハリや弾力を支えている保湿成分。低分子コラーゲンは特に分子量が小さく、肌内部によく浸透して水分を保持し、肌をふっくらさせてくれます。
・ヒアルロン酸
コラーゲン同様に人間の肌にもともとある保湿成分。水分を蓄える力が非常に高く、肌表面の潤いを守ってくれます。
・セラミド
保湿力が極めて高く、エイジングケア化粧品に配合されることも多い成分。セラミドの中でも「ヒト型セラミド」は人間の肌にもともとあるセラミドと構造が似ており、肌に対して高い効果が期待されます。
5. 日焼け止めを毎日塗る
顔の脂を抑えるためには毎日の紫外線対策も欠かせません。活動内容に合う日焼け止めを忘れずに塗り、紫外線刺激の影響を最小限に留めましょう。1日の活動内容に合う日焼け止めの強さの目安は、下表の通りです。
◎日焼け止めの強さの目安
SPF15〜30、PA+〜++ | 通勤したり買い物に行ったりと、日常的な活動のみで過ごす日に適した強さ。 |
SPF30〜50、PA++〜+++ | やや長めの屋外スポーツやウォーキングを行う日に適した強さ。 |
SPF50+、PA++〜++++ | マリンレジャーやハイキングなど、炎天下で長時間活動する日に適した強さ。 |
紫外線刺激はコラーゲンやエラスチンを破壊して、シワやたるみを引き起こす原因にもなりえます。顔の脂を抑えて見た目年齢を若く維持するためにも日焼け止めは、毎日欠かさずに塗りましょう。
40代の顔の皮脂対策3個[生活習慣]
どれほどスキンケアによる対策を行っても生活習慣を改善しなければ、顔の脂がおさまりません。過剰な皮脂が気になる人は以下のポイントを意識して、生活習慣の改善に努めてください。
1. 十分な睡眠をとる
心身の状態が不安定になりやすい40代こそ意識的に自分の時間を作り、十分な睡眠時間を確保しましょう。
肌のターンオーバーを促進して、エイジングトラブルの解消を助ける「成長ホルモン」を十分に分泌させるためには、睡眠の質を高めることも大切です。睡眠の質を高めるためには、以下の対策を実践しましょう。
・寝室にスマホやパソコンを持ち込まない
・就寝前のアルコール、カフェインの入った飲み物を控える
・38度程度のぬるま湯に5〜30分程度つかり、十分に身体を温める
・寝室に好きな香りのアロマをたく
・寝室の湿度や温度を快適に維持する
快適に睡眠できる寝室の温度は、夏場で25〜28度・冬場で18〜23度程度と言われます。湿度は50〜60%程度に調整して、睡眠に適した環境を整えましょう。
2. こまめにストレスを発散する
ストレスの完璧な回避は難しくても、極力溜め込まないように生活していくことはできます。顔の皮脂を抑えるためには自分に合うストレス発散方法を見つけて、こまめに実践してください。以下は、日常生活で気軽に実践できるストレス発散方法の例です。
・通勤時に1駅手前でおり、ウォーキングする
・イライラしている気持ちを紙に書き出す
・こまめにストレッチし、身体をほぐす
・親しい友人と会い、よく笑う
・郊外に出掛けて、ゆっくりと一人で過ごす
人間には、親しい友人と会って話を聞いてもらうことでストレス発散できる人もいれば、一人で過ごす時間が心身を癒してくれる人もいます。自分に合う方法でないとよい効果を得られませんので、どのようなシチュエーションでリラックスできるかを考えた上で行動しましょう。
3. 皮脂を抑える食べ物を意識的にとる
食生活ではビタミンB2、B6とビタミンCを含む食べ物を意識的に摂取しましょう。それぞれの栄養素の働きは、以下の通りです。
・ビタミンB2
脂質の代謝を促進したり、抗酸化作用によってアンチエイジングを助けたりする栄養素。肌や粘膜の再生を促す働きも期待されることから「発育のビタミン」と呼ばれます。【ビタミンB2の多い食べ物】レバー・海苔・唐辛子・青魚など
・ビタミンB6
肌のターンオーバーを促進し、美肌つくりを助けてくれる栄養素。皮脂量をコントロールする働きも持ち、ベタつきやテカリを抑えてくれます。【ビタミンB6の多い食べ物】鶏の胸肉・黒ゴマ・玄米・ししとうなど
・ビタミンC
コラーゲンの生成に不可欠な栄養素。強い抗酸化作用や皮脂量をコントロールする働きも持ち、トラブルに悩まない健やかな肌を後押しします。【ビタミンCの多い食べ物】アセロラ・キウイフルーツピーマン・ゴーヤ・パプリカなど
まとめ
40代は乾燥・ハリや弾力不足などに悩まされることが多く、肌の曲がり角をむかえるタイミングです。
40代で顔の脂がすごい時にはスキンケアや生活習慣を見直し、肌の調子を整えてください。スキンケアや生活習慣はいつ見直しても、遅すぎることはありません。顔の脂がすごい状況を肌のSOSサインと考えて、建設的に行動しましょう。