マスクを毎日付けるようになってから肌の調子が何となく整わず、対処法を探してはいませんか。
この記事では、マスクで肌荒れする原因と対処法を解説します。マスクの手放せない生活が続いても肌荒れに悩まず、理想の状態を維持するためのノウハウを知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
不織布マスクで肌荒れする原因4個
不織布マスクを長時間着用しているとしばしば、ニキビ・赤み・かぶれ・かさつきなどのトラブルが起こります。不織布マスクによる肌荒れが気になる人は、以下の原因を疑いましょう。
1. 肌の乾燥
まず、肌の乾燥です。不織布マスクを外す際には内部の水分が一気に蒸発するのですが、その際には、肌の潤いも一緒に逃げてしまいます。
乾燥した肌はバリア機能が低下して、刺激に対して敏感に傾くことが通常です。敏感になった肌はこれまで普通に使用できた不織布マスクを「過剰な刺激」と感じて、肌荒れすることがあります。
2. マスク内部の蒸れ
マスクの内部は吐く息で蒸れて、高温多湿の状態になります。高温多湿の状態に置かれた肌では皮脂分泌量が増加して、毛穴の詰まりが悪化しがち。詰まった毛穴にアクネ菌が繁殖すると、ニキビが増えてしまいます。
高温多湿の状態に置かれた肌はふやけて、バリア機能が低下することも、肌荒れを悪化させる原因です。バリア機能の低下による肌荒れを防ぐためにも、マスク内部の蒸れを防ぐために行える対策を日常的に実践しましょう。
3. 不織布マスクによる摩擦刺激
不織布マスクの表面は繊維が毛羽だっていることも多く、摩擦刺激を与えやすい傾向があります。可能であれば不織布マスクよりも布やガーゼのマスクの方が、摩擦刺激を抑えられます。
ただし、感染症防止対策として不織布マスクの使用を避けられないシチュエーションもありますから、臨機応変に対応しましょう。
また、たとえ摩擦刺激を抑えられるマスクを着用しても、表情を動かしたり着脱したりする際には多少、肌とこすれてしまいます。マスクを付ける以上「摩擦刺激を完璧に回避することは不可能」と考えて、適切な対処をとりましょう。
4. アレルギー反応
アトピー性皮膚炎の持病がある人はマスクに付着した花粉や埃によってアレルギー反応を起こし、肌荒れすることもあります。アレルギー反応による肌荒れはアトピー性皮膚炎と同じように赤くただれたり、軽いかゆみを感じたりすることが特徴です。
かゆみを感じたときに口元を掻きむしるとバリア機能が低下して、花粉や埃に対する抵抗力がより弱まります。ひどい症状を感じる場合は自己流の対処を避け、医療機関に相談するとよいでしょう。
マスクの肌荒れ対策5個
マスクで肌荒れしないためにはスキンケア方法や生活習慣の見直しが必要です。以下ではマスクで肌荒れしないため、今すぐにでも実践できる対策を紹介します。
1. クレンジング方法を見直す
肌荒れが気になる時のクレンジングは極力肌をこすらずに、汚れをきれいに落とせるものがおすすめです。クレンジングジェルやクレンジングミルクを選択するとバリア機能の低下した肌をいたわりつつ、クレンジングを行えます。
比較的濃いメイクの日には洗い上がりがしっとりとして適度な洗浄力もある、クレンジングバームを選択しましょう。
いずれの種類のクレンジングを使用するにしても商品指定の量を手の平に出し、メイクとよくなじませます。クレンジングをなじませる順番は、皮脂分泌量の多い部位から少ない部位の順番です。
マスクで肌荒れしている部分は最後に洗い、クレンジングを乗せる時間を最小限に留めましょう。クレンジングミルクやクレンジングバームを使用する場合は少量の水分を加えて、きちんと乳化させてからすすぎます。すすぎ終えたら清潔なタオルで水分を吸収し、クレンジングを終えてください。
2. 洗顔方法を見直す
クレンジングと洗顔で落とせる汚れは異なりますから、マスクで肌荒れしている時にも基本的には、洗顔料による洗顔を行います。朝・夜の1日2回、以下の手順で洗顔し、きれいに汚れを落としましょう。
【1】低刺激の洗顔料をよく泡立てる
【2】Tゾーンに洗顔料を置き、顔の上半分から洗い始める
【3】マスクで隠れる顎や頬は特に摩擦に注意して、顔の下半分を洗う
【4】耳の裏、フェイスラインも忘れずに洗う
【5】体温よりも低い温度のぬるま湯でよくすすぐ
洗顔に時間をかけすぎると、肌の乾燥が進みます。洗顔料を乗せてから30秒〜1分以内を目安として、スピーディーに洗顔しましょう。すすぎに使用するお湯の温度が高すぎると、バリア機能を維持するために必要な皮脂まで落としてしまうリスクがあります。反対に冷たい水を使用すると皮脂が固まり、汚れがきれいに落ちませんので、適温を守ってください。
3. 十分な保湿でバリア機能を強化する
クレンジング・洗顔後は十分な保湿を行い、バリア機能を強化しましょう。保湿の最初に使用する基礎化粧品は、化粧水です。
商品指定の量の化粧水を手の平に出し、両手で挟み込むようにして温めた後、顔全体に伸ばします。そして、頬や口元の乾燥が気になる時には、手の平に残った化粧水を重ね付けしてください。
特に肌荒れが気になる時にはトラネキサム酸やグリチルリチン酸など、抗炎症成分の配合されている化粧水を活用する方法が一案です。
マスクとの摩擦刺激や乾燥によって低下したバリア機能を回復させるためには、セラミドやアミノ酸などの配合されている化粧水を選択するとよいでしょう。化粧水の後は必要に応じて、保湿美容液をなじませてください。
化粧水や美容液のみで保湿を終えると、補充した水分や保湿成分がすぐに蒸発してしまいます。化粧水や美容液の後には乳液やクリームをなじませて、適度な油分を与えましょう。
乳液やクリームのベタつきが苦手な人は、比較的柔らかい質感の商品を活用する方法が一案です。マスクによってニキビができている部分には乳液やクリームを、やや控えめに塗ってください。
4. バームやワセリンで肌を保護する
マスクを着用する前にバームやワセリンを塗っておくと、摩擦刺激を軽減できます。バームとは、ワセリンやミツロウなどが主原料の保湿剤です。
バームのつけすぎは蒸れを招く原因ですから、少量を指先にとり、マスクによる肌荒れが気になる箇所へと伸ばしましょう。低刺激かつ高保湿タイプのバームを選択すれば、マスク内部の乾燥対策も行えます。赤みやかさつきが気になる人には、抗炎症成分配合のバームがおすすめです。
ワセリンには、黄色ワセリン・白色ワセリンなどの種類があります。白色ワセリンの方が精製度は高く、肌荒れしている時にも使いやすい種類です。市販のワセリンの中にはこってりとした質感の商品もありますから、体温で柔らかくした上で、優しく顔に伸ばしてください。
5. 日焼け止めを毎日塗る
マスクを付けることのみでは、紫外線を完璧に遮ることが不可能です。マスクで隠れる部分にも日焼け止めを塗り、紫外線刺激を和らげてください。肌荒れしないために意識したい日焼け止めの塗り方のポイントは、以下3点です。
【1】マスクで隠れる部分に重ね塗りする
マスクと肌との間に摩擦が起こると、日焼け止めが剥げてしまいます。マスクで隠れる部分にはあらかじめ日焼け止めを重ね塗りして、うっかり日焼けを防止しましょう。
【2】日焼け止めの上からパウダーを重ねる
ファンデーションの上から日焼け止めを塗る場合はパウダーを重ねて、簡単に剥げないように保護しましょう。パウダーの上から化粧崩れ防止スプレーを吹きかけると、より持続力が高まります。
【3】こまめに塗り直す
日焼け止めの効果は、1日通して持続しません。肌荒れを悪化させないためにも日焼け止めは、2〜3時間置きに塗り直しましょう。
マスクを付けている時に使用する日焼け止めは、ウォータープルーフタイプがおすすめです。ただし、ウォータープルーフタイプの中には肌に負担をかけやすい商品もありますので、十分な効果が期待でき、低刺激な日焼け止めを選択しましょう。
マスクにガーゼを挟むのは効果的?
マスクと肌との間にガーゼを挟むと繊維による摩擦刺激を軽減し、バリア機能の低下を予防できます。また、ガーゼを挟む方法は吐く息による内部の蒸れを防止して、肌荒れしないようにするためにも効果的な対策です。
肌との間に挟むガーゼは清潔に維持する必要がありますので、マスク同様、使い捨てすることが基本と言えます。可能であれば吐く息によって湿っているように感じる度、新しいものへと取り替えてください。
ガーゼの使い捨てを負担に感じる人は一日の終わりに十分に洗って干し、同じものを使い続けることは避けてください。
市販のガーゼを切る作業を面倒に感じる人は、もともと内側がガーゼの不織布マスクを購入するとよいでしょう。もしくは、コットンなどの天然繊維を比較的多く使用している不織布マスクを購入すると、摩擦刺激を軽減できます。
マスクの付け方の対策3個
マスクで肌荒れしないためには、着用するアイテム選びや付け方を工夫することも大切です。以下では、肌荒れが気になる時におすすめしたいマスク選びや付け方のルールを紹介します。
1. サイズの合うマスクを使用する
使用するマスクのサイズが小さいと、摩擦刺激が大きくなります。以下の方法で自分に合うマスクのサイズを見極めて、顔にぴったりフィットする商品を購入しましょう。
【1】親指と人差し指でL字を作る
【2】耳の最も高い部分に親指、鼻の付け根から1cm下に人差し指の先端をあてる
【3】親指から人差し指の長さを測定する
親指から人差し指の長さが9~11cm程度であれば、子供用のマスクがおすすめです。10.5~12.5cm程度であれば小さめサイズ、12~14.5cm程度であれば普通サイズを購入しましょう。親指から人差し指の長さが14cm以上の人には、大きめサイズがおすすめです。
2. 極力顔にフィットさせて、隙間をなくす
マスクを付ける時には、鼻・頬・顎に隙間を作らないように意識する必要があります。正しいマスクの付け方を守ることで花粉や埃の侵入を防止し、アレルギーによる肌荒れを防止しましょう。
◯正しいマスクの付け方
【1】マスクを付ける前に、鼻の部分を折り曲げる
【2】左右の紐を5本指で軽く広げて、バランスよく耳にかける
【3】鼻の部分を左手で押さえつつ、プリーツを顎下まで下げる
【4】鼻・頬・顎部分をなじませて、隙間をなくす
マスクから鼻を出したり顎にマスクをかけたりすると、隙間ができてしまいます。マスクを付ける際には顎から鼻までを、しっかりと覆いましょう。使い終わったマスクは片側の紐を持って顔から外し、反対側の紐を持って顔から剥がしてください。マスクを廃棄した後にはよく手を洗い、花粉や埃が残らないように注意しましょう。
3. マスク内部の汗や皮脂をこまめに拭く
マスクで密閉されている時間が長いほど、内部の蒸れは悪化します。肌荒れを防止するためには内部の汗をこまめに拭き取り、衛生的な環境を保ちましょう。
マスク内部の皮脂が気になる時にはティッシュを使用し、余計な油分を拭き取りますティッシュを三角形に折り、顔の下半分に優しくあてると、メイクを極力崩さずに余計な油分のみを拭き取ることが可能です。
汗や皮脂を拭いた後は乾燥対策として、つなぎ保湿を行ってください。メイクの上から使用できるミスト化粧水を使用すれば、外出先でも簡単につなぎ保湿を行うことが可能です。ミスト化粧水は、鼻の頭・顎先など摩擦刺激を受けやすい部分にも、しっかりとなじませます。
もしくは、保湿成分の含まれているバームを少量塗る方法によっても、つなぎ保湿を行うことが可能です。つなぎ保湿を行った後はフェイスパウダーを少量乗せて、マスクとの摩擦や蒸れの影響を軽減しましょう。
まとめ
不織布マスクで肌荒れする時に疑いたい原因は、内部の蒸れ・肌の乾燥・摩擦刺激・アレルギー反応です。肌荒れを防止するためにはスキンケア習慣を見直したり、不織布マスクの付け方を工夫したりする方法が検討されます。
なお、マスクによる肌荒れがいつまでも治らず、どんどん悪化していく時には、医療機関に相談する方法も一案です。正しく原因を特定し、トラブル解消を図るためにも、専門家と二人三脚の治療を進めてください。