ビニール肌とは?原因と戻す改善方法・治し方16個[医師監修]

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お手入れをまじめに行う人ほど陥りやすい「ビニール肌」というトラブルを知っていますか。

ツヤツヤときれいに見える肌でも、肌内部のトラブルが進行し、健康とはいえない状態かもしれません。「もしかして、私のこと?」と感じた人のために、ビニール肌の原因と改善方法を紹介します。

目次

ビニール肌とは?

ビニール肌とは、その名前の示す通りに、ビニールのように不自然なツヤのある肌のことです。

過剰なスキンケアや生活習慣の乱れによってバリア機能が低下し、角層が薄くなる・皮脂が過剰に分泌されるといったトラブルを起こした肌の状態を示します。

ビニール袋にたくさんモノを入れると四方に伸び、破れやすくなりますよね。これと同じ現象が角層で生じています。

紫外線や摩擦刺激、空気中の汚れから肌を守る角層が薄くなり、水分と油分のアンバランスが生じることで、シミや大人ニキビ、たるみといったトラブルを起こしやすく、状態が落ち着きません。

ビニール肌かどうかのチェックリスト

自分の肌がビニール肌にあたるかは、どのように判断すればよいのでしょうか。以下のチェックリストのうち、該当するものが多いほど、ビニール肌の疑いが強いといえます。

□ 洗顔後に顔が突っ張る
□ 保湿ケアを行っても、肌がひどく乾燥する
□ 顔がテカる・べたつく
□ 肌のキメを感じない
□ 肌の弾力を感じない
□ シワやたるみが増えてきた
□ (昔はそれほどでもなかったにも関わらず)花粉やハウスダストで顔がかゆい
□ 化粧水や美容液をつけた際にヒリヒリする部位がある
□ ベースメイクのなじみが悪い
□ 紫外線や物理的な刺激に弱く、トラブルを起こしやすい
□ 肌の赤みや吹き出物ができやすい

ひとつでも当てはまる項目のあった人は、ビニール肌予備軍と考えられます。放置することによりトラブルが進行するケースもあるため、早急な対策が必要です。今の段階では当てはまる項目のない人も、油断大敵。ビニール肌の原因を知り、予防対策を行うことで、トラブルを予防しましょう。

ビニール肌は肌トラブルになる?かゆい?

ビニール肌という名称は、医学的な病名ではありません。ただし、放置することにより、様々な肌トラブルが生じるおそれが伴うことから、早急な対策をおすすめします。

ビニール肌を放置することで生じる弊害の例として、炎症やアレルギー反応、エイジングトラブルがあげられます。炎症の代表例は、顔のかゆみやピリピリとした刺激です。アトピー肌に見られるような症状が急に増加し、メイクやスキンケアを受け付けなくなるケースもあります。

ビニール肌に該当する女性の中には「見た目がキレイなら問題ない」と考える人もいることでしょう。お手入れを簡易化し、毛穴やくすみが目立つリスクを考えると「表面だけでもきれいな方が望ましい」といった判断に到るためです。もっともな言い分ですが、将来的に大きなトラブルに発展するおそれもあることを理解しましょう。

ビニール肌の原因3個

ビニール肌の原因は、過剰なスキンケアと誤った洗顔やクレンジング、生活習慣と考えられます。各項目に関して、もう少し詳しく紹介しましょう。

1. 過剰なスキンケア

まず、スキンケアのやり過ぎです。頻繁な毛穴パックやピーリング、酵素洗顔は、必要な皮脂や角質まで削ぎ落とすリスクがあります。

薄くなった角層はデリケートな状態にも関わらず、負担の大きいお手入れを継続すれば、肌荒れにつながることは当然ですよね。必要最低限のスキンケアに絞り、一定期間継続することによる、バリア機能の正常化が不可欠です。

2. 誤った洗顔やクレンジング

次に、洗顔やクレンジングの間違いです。顔のベタつきが気になって、熱いお湯で洗顔する・毛穴汚れを落とすためにゴシゴシこする・洗浄力の強いクレンジングを毎日使う。

これらはすべて、ビニール肌を招くおそれがあります。1日に何回も洗顔する・洗浄力の高いクレンジングオイルを毎日使うといったことも、肌の健康状態を悪化させる要因。洗顔・クレンジングの選び方や使い方を見直し、肌の負担を軽減しましょう。

3. 生活習慣

生活習慣に関する問題も、肌の健康に関係します。脂質・糖質の多い食事や睡眠不足、過剰なストレスなど、一般的に「お肌に悪い」といわれる習慣がビニール肌にも影響します。40代以降の女性は、ホルモンバランスを整える習慣も大切です。疲れたときには無理をせず、心と身体を休めましょう。

原因が分かったところで、実践編に入ります。スキンケア・生活習慣・食事に分け、健康的なツヤ肌をつくるためのポイントを紹介します。

ビニール肌を健康肌に戻す改善方法・治し方6個[スキンケア]

過剰なスキンケアや誤った洗顔・クレンジングがビニール肌につながることは、上で見たとおりです。トラブルが生じた肌を健康に戻すためには、次のポイントをふまえた正しいケアを実践しましょう。

1. 肌にやさしい洗顔料を使用する

ビニール肌を治すためには、刺激を与えにくく乾燥しにくい洗顔料を使用します。洗浄力の強い固形石鹸や防腐剤、添加物の多い商品は、避けてください。洗顔料選びだけではなく、洗い方も大切です。

【ビニール肌を治す洗顔手順】
(1) 手を洗い、ぬるま湯で顔をすすぐ
(2) 商品指定量に従って洗顔料を出し、モコモコの泡を作る
(3) Tゾーン・Uゾーン・ほほ・目元・口元の順番に泡を乗せて、円を描くようにやさしく洗う。目元や口元の乾燥が気になるときは、泡を乗せるだけでも大丈夫です。
(4) ぬるま湯で20〜30回以上すすぐ
(5) やわらかいタオルを顔に当て、水分を吸収させる

2. 乾燥がひどいときにはぬるま湯洗顔

乾燥や突っ張りが気になるタイプのビニール肌には、ぬるま湯洗顔も選択肢です。朝だけは洗顔料を使用せず、ぬるま湯だけで洗顔することにより、肌の負担を軽減します。

ぬるま湯洗顔は相性が問われるケアにあたることから、無理をする必要はありません。肌の調子や季節に合わせ、一般的な洗顔との使い分けを検討しましょう。

3. 保湿重視のシンプルケアを継続する

正しい洗顔を行った後に保湿重視のシンプルケアで肌を保護し、角層を育てることによって、健康肌への生まれ変わりを期待できます。

シンプルケアとは、必要最小限のケア商品だけを活用し、実践するお手入れです。「馬油だけ」「ワセリンだけ」といった極端な断捨離ではなく、保湿化粧水・乳液もしくはクリームを使用する王道的なお手入れをおすすめします。

使用する基礎化粧品は、刺激成分を含まない商品を選択しましょう。鉱物油やアルコール、香料などが配合されたケア商品は、ビニール肌を悪化させるおそれがあります。「無添加化粧品」「オーガニック化粧品」と名付けられた商品の中にも刺激成分の含まれるものはあるため、成分表示を確認しましょう。

4. クレンジングミルク・クリームを活用する

シートやオイルタイプのクレンジングは肌に負担をかけやすく、ビニール肌を悪化させるリスクがあります。ミルクもしくはクリームタイプのクレンジングを活用し、メイク汚れを落としつつも、うるおいを維持することが大切です。

ミルクタイプは、界面活性剤や油分の含有量が比較的少なく、使いやすいクレンジングにあたります。ミルクタイプでは「軽すぎる」と感じる人には、クリームタイプがおすすめです。

クリームタイプのクレンジングは、肌との間のクッションとなり、摩擦刺激を軽減できるメリットがあります。軽い質感を求める人には不向きですから、自分に合うタイプのクレンジングを選択しましょう。

5. 日焼け止めを毎日塗る

バリア機能の衰えた肌は紫外線刺激を受けやすく、シミやたるみといったトラブルにつながるリスクがあります。外出時間や活動内容に合わせた日焼け止めを活用し、弱った肌を守りましょう。

日常使いに適した日焼け止めは、SPF20・PA++程度です。スポーツやウォーキング・ジョギングなど軽度の屋外活動を行う日にはSPF30程度、マリンレジャーや山登りを行う日にはSPF50・PA++++程度をおすすめします。

6. 自己流の肌断食を行わない

ストイックな肌断食では、洗顔やメイク、スキンケアのすべてを中止し、肌本来の機能の回復を目指します。昔ながらの石鹸を使って洗顔し、乾燥がひどいときにはワセリンや馬油、ホホバオイルなど、天然のオイルを少量つける・週末だけはメイクやクレンジングを控えるといったお手入れも肌断食の仲間です。

理論としては一理あっても、ビニール肌には負担が大きく、状態を悪化させるリスクがあります。「大人ニキビや乾燥、毛穴の開きといったトラブルが一時的に増加する」ともいわれることから、安易な挑戦は禁じ手です。どうしても肌断食に挑戦したい場合には、皮膚科やエステサロンのアドバイスのもと、無理のない方法で行ってください。

ビニール肌を健康肌に戻す改善方法・治し方5個[生活習慣]

次に、生活習慣の改善によるビニール肌対策を紹介します。すぐに変化が見られなくても諦めず、1ヶ月以上は継続しましょう。

1. 睡眠の質を高める

睡眠中に分泌される成長ホルモンは、バリア機能正常化を助けてくれます。薄くなった角層を正常な状態に戻すため、ぐっすり眠る習慣が大切です。睡眠の質を高めるためには、次のような対策を検討できます。

・19時以降はカフェイン飲料を控える
・ベッドに入る2時間前までに夕食を摂る
・ベッドに入る1時間前までに電子機器(スマホ・パソコン・テレビなど)の電源を落とし、寝室には持ち込まない
・ぬるめのお湯に20〜30分つかり、リラックスする
・肌触りのよい寝具を使う

ゴールデンタイムを意識するより、睡眠の質を高めることが重要です。帰宅後の時間の使い方を今一度見直し、熟睡できる生活リズムに切り替えましょう。

2. ストレスを翌日に持ち越さない

家事や仕事のストレスが蓄積すると、刺激に対する抵抗力が弱まります。イライラした気持ちや悩みを翌日以降に持ち越さず、その日のうちに解消しましょう。

フィットネスジムで汗を流す・友人に電話する・ボクササイズを行うなど、心身の疲れをデトックスする方法はたくさんあります。好きなアーティストの音楽を聴く・お気に入りのルームフレグランスを使うといった体力の消耗を伴わない対策もおすすめです。

「ストレス対策として、何をすればよいのかが分からない」といった人は、腹式呼吸を試してみてはいかがでしょうか。仕事や家事の合間に実践することにより、心がすっと落ち着きます。

【腹式呼吸の手順】
(1)お腹に手をあて、凹ませるイメージで、ゆっくりと口から息を吐きます。
(2)「これ以上は吐けない」と感じるところまで、細く長く続けてください。
(3)お腹を膨らませるように、鼻からゆっくり息を吸います。
(4)お腹に空気で満たしたまま、6秒間キープします。

3. タバコとお酒はほどほどにする

きちんとスキンケアを行っているにも関わらず、ビニール肌が改善されない場合は、タバコやお酒の影響が疑われます。タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させ、肌の修復を妨げる成分です。ホルモンバランスにも影響し、ターンオーバー周期の乱れや身体の冷えを招くリスクも知られています。

アルコールを分解するためには、ビタミンB群が必要です。肌の修復に使われるはずだったビタミンB群まで消費されることにより、ビニール肌を悪化させるリスクがあります。

お酒については、完全な禁酒でなくともかまいません。「週末だけはお酒を解禁。平日はノンアルコールビールで乗り切る」など、自分なりのルールを作り、適量を守りましょう。

4. 室内を清潔に維持する

ビニール肌を治すためには、アレルゲンをできる限り排除し、負担をかけないことが大切です。日々の掃除や空気の入れ替えを適切に行い、肌荒れを予防しましょう。

「キレイ好き」という女性でも盲点になりやすいポイントがエアコンのフィルターです。汚れたまま使っていると、カビやほこりを空気中にまき散らし、アレルギーの原因となるリスクがあります。浴室や洗面所、洗濯槽など、カビの生えやすい箇所の掃除も重要です。自分では対応できない箇所の掃除は専門業者に依頼し、衛生的な環境を維持しましょう。

5. 適度な運動で血行促進

適度に身体を動かすことで血の巡りがよくなると、肌の修復に必要なものが運ばれやすくなることから、バリア機能正常化に役立ちます。積極的に身体を動かす習慣をつけ、健康肌への生まれ変わりを促進しましょう。

運動を継続するコツは、自分にとって無理のない目標を決めることです。仕事が忙しいにも関わらず「出勤前に1時間のウォーキング」「毎日定時に会社を出て、フィットネスジムに通う」など、ハードルの高い目標を設定しても続きません。エレベーターを使わずに階段を選ぶ・買い物に徒歩で行くなど、活動量を自然に増やし、習慣として継続しましょう。

ビニール肌を健康肌に戻す改善方法・治し方5個[食べ物]

栄養バランスを整えること・決まった時間に三食食べることは、最低限行いたい対策です。プラスアルファの対策として、5つの栄養素を意識的に摂取することにより、健康状態の回復を助けてくれます。

1. タンパク質を摂取する

健康肌を作るためには、タンパク質が欠かせません。肌や髪、爪の原料となり、健康な状態への生まれ変わりを助けてくれます。毎回の食事で摂取するタンパク質は、手のひらに約1杯が目安です。

肉だけ・魚だけといった食べ方ではなく、複数種類のタンパク質を組み合わせて摂取することが推奨されます。豆腐や納豆といった植物性タンパク質、魚や肉に代表される動物性タンパク質を組み合わせ、十分な量をクリアしましょう。

2. ビタミンB6でタンパク質の分解を促す

摂取したタンパク質は、アミノ酸に分解されて、各器官で活用できる形に変えられます。アミノ酸に分解されるときに必要になる栄養素はビタミンB6。タンパク質と組み合わせで摂取することにより、ビニール肌改善を助けてくれます。

かつお・マグロといった赤身の魚は、タンパク質もビタミンB6も含む優秀な食材です。ツナ缶を活用すると、毎日気軽に摂取できます。油漬け・食塩の含まれるタイプは避け、水煮缶や食塩無添加商品を活用するとよいでしょう。

3. ビタミンCで酸化を防ぐ

紫外線ダメージやストレスによるビニール肌進行を防ぐためには、ビタミンCが有効です。ビタミンCは、強い抗酸化力を持っています。加齢による肌トラブルの予防もでき、意識的に摂りたい栄養素といえるでしょう。

ビタミンC を多く含む食べ物には、アセロラ・ケール・柿・パセリなどがあります。手に入りやすい食べ物では、パプリカや芽キャベツ、ブロッコリー、カボチャなどが選択肢です。意外なところでは、緑茶の茶葉にもビタミンCが含まれます。飲んだ後の茶葉を捨てず、おひたしのように楽しみましょう。

4. 良質な脂質を適量摂取

脂質の摂り過ぎはビニール肌を悪化させるリスクが伴うものの、過剰な制限も禁物です。良質な脂質を適量取り入れ、健康肌に必要なうるおいを維持しましょう。

良質な脂質を含む食べ物には、ナッツやアボカド、青魚などがあります。ナッツやアボカドには代謝を促すビタミンEも含まれることから、くすみやたるみが気になる女性におすすめです。

バター・ラード・牛脂といった飽和脂肪酸は、控えたい脂質に該当します。パンにバターを塗る代わりにアボカドオイルを使用する・脂肪分の多い牛肉は食べ過ぎないなど、質にこだわる油選びがおすすめです。

5. 食物繊維で腸内環境を整える

肌によい食材をどれほど頑張って摂取しても、腸内環境が乱れたままでは、うまく吸収されません。キノコやごぼう、リンゴなどに含まれる不溶性食物繊維・オクラ、海藻などに含まれる水溶性食物繊維をバランスよく摂取し、腸内環境を整えましょう。

食物繊維を摂る際のポイントは、よく噛んで食べることです。噛むことで唾液の分泌がよくなり、栄養素の吸収を助けてくれます。

ビニール肌の治療にかかる時間・期間の目安

ビニール肌の治療にかかる期間は、状態によって差があります。ターンオーバー周期が28日程度であることから、最低でも1ヶ月は様子を見ましょう。

化粧水や美容液との相性を見たい場合は、正規品1本を使い切るまでが目安です。メーカーの指定通りに1本を使い切ってもなおよい変化が見られない場合は、ほかのアプローチを検討しましょう。

皮膚科にかかった場合の治療期間は、医師との相談次第です。たとえば、ビニール肌が原因で化粧品かぶれを起こし、皮膚科を受診したとします。内服薬や外用薬、特別な機器を使用したケアにより、かぶれが落ち着いく状態を目標にした場合には、数回の通院だけで終わらせることも可能です。

炎症跡をきれいにすることを目標とした場合には、レーザー治療やスキンケア、生活習慣の改善などの総合的な対策が上乗せされることから、年単位の通院となることも考えられます。

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まとめ

ビニール肌のセルフチェック方法から原因、治し方まで、健康肌を目指すための基礎知識を紹介しました。状態が落ち着いた後にも油断せず、肌をいたわる生活を継続することにより、健康肌を維持できます。

一朝一夕に改善できる問題ではないだけに、試行錯誤の対策が不可欠です。焦って過剰なスキンケアに戻ってしまえば、いつまで経ってもビニール肌から抜け出せません。正しい知識をもとに、じっくりと取り組む姿勢が求められます。

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