監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

顔の脂がすごい… 女なのになぜこれほどべたつくのか… といったことに人知れず悩み、コンプレックスを感じる女性は多いものです。

そのような状況の女性のため、顔の脂の原因と対処法を紹介します。

顔の脂がすごい女性の原因4個

女性に多い顔の脂の原因は、誤ったスキンケアやホルモンバランスの変化、生活リズムの乱れや飲酒・喫煙習慣です。以下では、各原因に対するより詳しい内容を紹介します。

1. 誤ったスキンケア

スキンケアの目的は、肌を健やかに維持するために必要なお手入れです。肌を健やかに維持するためには、適度な油分を要します。ゴシゴシこする洗顔や洗浄力の強すぎる洗顔料を使用し、徹底的に油分を除去する行動は、正しいスキンケアとは言えません。

誤ったスキンケアは、人間の肌がもともと持つバリア機能を低下させて、防御反応を招きます。防御反応が起こった結果として、大急ぎで顔の脂を増加させ、バリア機能を強化するといった状況に陥るのです。

この防御反応は、摩擦刺激の蓄積や紫外線対策不足、保湿不足による肌の乾燥が顕著な時にも生じます。摩擦刺激の蓄積を招くクレンジングや洗顔、日焼け止めを塗らずに外出すること、ベタつきやテカリを気にして保湿を省略することなども、誤ったスキンケアに該当する行為といえます。

2. ホルモンバランスの変化

顔の脂に影響するホルモンの代表例は、男性ホルモン「テストステロン」。思春期や30代後半から40代はテストステロンが分泌されやすく、「顔の脂がすごい」と感じることがあります。

過剰なストレスや働き過ぎ、過剰なダイエットの影響などによってホルモンバランスが乱れると同様の事象が生じますから、20代や30代前半の女性も他人事ではありません。ホルモンバランスを意識し、心身に負担をかけない生活へと切り替えましょう。

3. 生活リズムの乱れ

食事の時間が不規則・夜更かしや寝坊を繰り返すといった生活リズムの乱れによっても、顔の脂は悪化します。ホルモン分泌のコントロールを行う体内時計の乱れを招き、アンバランスな状況を作ることにつながるためです。

体内時計の初期設定は、太陽の昇る時間に活動を始めて暗くなったら休むといったプログラム。このプログラムと実際の生活リズムにミスマッチが生じると、過剰な負担を感じます。

負担の大きい状況が繰り返し生じると、正しく機能できなくなり、顔の脂を増やしてしまう状況に陥るのです。

4. 過剰な飲酒や喫煙習慣

アルコールの代謝にあたり、ビタミンB群を多く消費します。ビタミンB群が不足することは、顔の脂を増加させる原因の1つ。アルコールを飲む時のおつまみに多くの脂質が含まれることも、顔の脂を悪化させます。

たばこの煙は、交感神経を活性化させる成分を含む点が問題です。皮脂腺の活動を活性化し、顔の脂を増加させることがあります。

顔の脂が多い女性と男性の違い

男性の皮脂分泌量は、女性の約3倍とも言われます。男性用の化粧品は、テカリやベタつき対策商品が目立ちますよね。生まれ持った肌質として脂性肌気味の人が多く、大きな市場であることが理由です。

つまり「顔の脂が多いというトラブルの先天的なリスクは、男性の方が高い」とも考えられます。

その反面、毎日化粧を行ったり、生理周期に従ってホルモンバランスが変化したり。女性特有のリスク要素もありますので「どちらがよりトラブルを抱えやすい」と言い切ることはできません。また、誤ったスキンケアや生活リズムの乱れ、飲酒や喫煙習慣により、顔の脂が増加するリスクを持つことは、女性も男性も同じです。

いずれにしても、生まれもった肌質や刺激に対する許容度合いには、個人差が存在します。女性・男性という大きなくくりで考えることは避け、自分に合う対策を検討しましょう。

顔の脂が多い女性の対処方法2個[洗顔]

過剰な皮脂を抑えるための対策の基本は、洗顔料の選び方や洗顔方法の見直しです。以下の内容を参考に、正しい洗顔へと切り替えましょう。

1. 洗顔料選びを見直す

過剰な皮脂を放置すると、顔の上で酸化し、蓄積汚れになってしまいます。皮脂汚れがしっかり落ちる洗顔料を選択し、大人ニキビや毛穴汚れを予防しましょう。天然油脂とアルカリ剤から製造されるシンプルな石鹸は、皮脂汚れを落とす力が強く、顔の脂が気になる女性におすすめです。洗顔フォームのように合成界面活性剤を含まず、安心して使用できる点も強みといえます。

反対に、注意したい洗顔料は、保湿成分やエイジングケア成分を含む「しっとり系」の洗顔フォームや洗顔ジェル。潤いを守りながら洗うように作られた商品ですから、油性成分の配合量が比較的高く、ベタつきやテカリを招く原因になりえます。

そもそも洗顔の目的は、汚れをきちんと落とすことです。肌の乾燥対策は、洗顔後の保湿の担当分野。スキンケアの目的をふまえた商品選びで、トラブルを予防しましょう。

2. 正しい手順で洗顔する

過剰な皮脂を抑えるための洗顔は、次の手順で行います。

【1】洗顔の準備を行う
洗顔を始める前に手を洗い、汚れをきちんと落としましょう。その後に、ぬるま湯で予洗いし、顔の上に付着した大きなほこり、メイク汚れの残りを落とします。

【2】洗顔料を泡立てる
軽く湿らせた泡立てネットに石鹸をこすりつけた後、揉みこむように動かします。作った泡を絞りだし、手のひらに集めて下さい。

【3】Tゾーン、Uゾーン、目元、口元の順に洗う
皮脂の多いTゾーンやUゾーンから泡を乗せ、転がすように動かします。目元や口元は丁寧に、手が直接触れないように洗顔しましょう。

【4】十分にすすぐ
ぬるま湯を両手ですくい、十分なすすぎを行います。小鼻や髪の生え際、顎のラインにすすぎ残しのないことを確認し、清潔なタオルで顔を拭きます。

顔の脂が多い女性の対処方法3個[スキンケア]

過剰な皮脂を抑えるためのスキンケアのポイントは、バリア機能を損なう「間違いケア」を卒業すること・十分な保湿の2点です。具体的には、以下のような対処方法を検討しましょう。

1. クレンジング選びを見直す

顔の脂がすごい女性に適したクレンジングは、メイク汚れはきちんと落とし、摩擦刺激をできる限り与えないクレンジングです。以下の内容をふまえたクレンジングの見直しが過剰な皮脂の抑制に貢献します。

メイク汚れをきちんと落とすクレンジングとは?

オイルタイプや油性ジェルタイプは、メイクを落とす力の強いクレンジングです。その反面、肌に対する負担も大きいため、ミルクタイプや水性ジェルタイプのクレンジングと使い分けをおすすめします。

使い分けの基準は、メイクの濃さです。「しっかりメイクを行った日はメイクと落とす力の強いクレンジングを使用し、他の日はマイルドなタイプを選択する」といった使い分けを検討しましょう。

摩擦刺激をできる限り与えないクレンジングとは?

拭き取りローションタイプやシートタイプのクレンジングは、摩擦刺激を与やすい種類です。顔の脂を抑えるためには、洗い流すタイプを選択しましょう。

2. 過剰なベタつき対策を控える

過剰なベタつき対策は、潤いを維持するために必要な油分も落とし、防御反応を引き起こすリスクがあります。以下のような間違いケアを卒業し、過剰な皮脂を抑制しましょう。

・油取り紙を頻繁に使用し、過剰な皮脂を吸収する。
・メントール配合のフェイスシートを使用する。
・さっぱりとした化粧水でスキンケアを終えてしまう。
・保湿化粧水を使わず、収れん化粧水のみでお手入れする。

3. 洗顔後は十分に保湿する

「顔の脂が多い状態」=「水分と油分のバランスが崩れてしまった状態」です。「化粧水だけ」「乳液だけ」といったお手入れでは、水分・油分のバランス調整を行うことができませんよね。化粧水や乳液、クリームと複数の基礎化粧品を順番に使用し、水分・油分のバランスを整えましょう。

この基本を守った上で、冷蔵庫の中で冷やし、使用できるタイプの美容液やジェルを活用する方法は、NGケアに該当しません。保湿成分を含む商品を上手に選べば、水分不足を悪化させることなく、サラサラの質感に仕上がりますよ。

お風呂上がりや帰宅直後のお手入れに冷やし美容を取り入れると、汗や皮脂によるテカリ、ベタつきストレスを軽減できます。梅雨から夏にかけて様々なメーカーが冷やし美容用の商品を売り出しますから、肌質に合うものを探してみてはいかがでしょうか。

顔の脂が多い女性の対処方法3個[食事]

スキンケアにと併行して進めたい対策が食事内容の見直しです。顔の脂を増やしてしまう食べ物は控え、美肌作りに貢献する食べ物を摂ることにより、内側から対策しましょう。

1. 脂質の多い食べ物と炭水化物、甘いものを控える

揚げ物やスナック菓子、炒め物といった脂質の多い食べ物は、皮脂を増やす原因です。炭水化物や甘いものなど、血糖値を急上昇させる食べ物も同様に、過剰な皮脂分泌を招くリスクがあります。

これらの食べ物を「全く食べてはいけない」というわけではなく、適量に留めることが大切です。「週に1回まで」など、自分なりのルールを決めて、顔の脂のコントロールを行いましょう。

2. ビタミンB群で過剰な皮脂をコントロール

顔の脂のコントロールを支援する栄養素の代表格は、ビタミンB1・B2・B6です。脂質や糖質の分解を助けるとともに、ストレス抑制に貢献します。

ビタミンB1玄米、豚肉、小麦胚芽、うなぎ、豆類、たらこなど
ビタミンB2牛レバー、うなぎ、納豆、牛乳、卵など
ビタミンB6にんにく、赤ピーマン、かつお、まぐろ、バナナなど

たとえば、白米を玄米に切り替える・メインのおかずに豚肉、まぐろを使うといった工夫であれば、無理なく継続できますよね。できる範囲の工夫から、食生活の改善に取りかかりましょう。

3. ビタミンAでバリア機能を正常化

ビタミンAは、ターンオーバーを整えて、バリア機能の正常化を助けます。ニンジンやカボチャといった緑黄色野菜を意識的に摂取して、外部刺激に負けない肌を育てましょう。

食物繊維豊富な野菜を食事の中に含めることは、血糖値の急上昇を抑えることにも貢献します。緑黄色野菜を含むスープ、サラダをまず食べて、メインのおかずや炭水化物へと進む食べ方を守りましょう。

[blogcard url=”https://www.mebiusseiyaku.co.jp/article/archives/12″]

顔の脂が多い女性の対処方法3個[生活習慣]

最後に、生活習慣の見直しから皮脂を抑える方法を紹介します。生活習慣の乱れによる肌トラブルは、一朝一夕に解決しません。すぐに変化が見られなくても諦めず、継続的に取り組みましょう。

1. 質の高い睡眠で成長ホルモン分泌を促す

睡眠中に分泌される成長ホルモンは、肌の生まれ変わりを促進し、水分・油分のバランスを整えることに貢献します。

成長ホルモンがとくに多く分泌されるタイミングは、寝入りばなの3時間。この時間帯にぐっすりと眠っているほど多くの成長ホルモンが分泌されて、過剰な皮脂に悩まない理想の肌への生まれ変わりを後押しできます。

寝入りばなの3時間に熟睡するための対策例は、以下のような内容です。

・ベッドに入った後は、スマホやタブレット、テレビを見ない。
・ラベンダーやカモミールの香りでリラックスする。
・体型に合う枕を使う。
・遮光カーテンや雨戸によって、外部の光を遮断する。
・夕方以降はカフェインの摂取を控える。
・38度から40℃程度のお湯にゆっくりつかり、リラックスする。

2. 冷房による肌の乾燥、冷えを防ぐ

冷房のきいた室内は、想像以上に乾燥します。自宅でエアコンを使用する際には、60%程度の湿度に調整。肌にとって快適な湿度を維持することが、内部的な水分不足を防いでくれます。

夏のオフィスの乾燥対策には、保湿ミストや美容液スティックを活用しましょう。メイク直しを行う時につなぎ保湿を行うと、乾燥による皮脂浮きやメイクのヨレを防止できます。

また、冷房による身体の冷えも、乾燥による顔の脂を悪化させる原因です。薄手のカーディガンやショールを持ち歩き、身体の冷えを防止しましょう。

3. 適度な運動でリフレッシュする

適度な運動は、セロトニン神経系を活性化させ、不安な気持ちやイライラを抑えてくれると言われます。多忙な時ほど無理をせず、適度に身体を動かして、リフレッシュを図ることが大切です。運動の中でもとくにおすすめしたい種類は、サイクリングやウォーキングなど、一定のリズムを刻むもの。

1回の運動あたり20分から30分を目安として、無理のないペースで継続しましょう。外出を面倒に感じる時は、ヨガやストレッチを行いながら一定のリズムの呼吸を繰り返すだけでも、セロトニン系神経の活性化が期待されます。自分にとって「辛い」と感じる運動はリフレッシュに向かないため、楽しみながら継続できる方法を検討しましょう。

まとめ

顔の脂がすごい女性におすすめの皮脂対策を紹介しました。全てを一気に実践することは難しくても、無理のない対処方法から挑戦し、少しずつ良い方向へと変えることは可能です。

顔の脂に悩む女性は、あなただけではありません。悲観的な考えに支配されることは避け、前向きな努力を続けることで、サラサラ肌を実現しましょう。