肌トラブルは、肌だけの問題? つい忘れがちですが、皮膚も臓器のひとつ。
体内の水分不足や水分循環の悪化が、シミやシワ、ハリ不足などの肌トラブルを引き起こしている可能性があるのです。
しのぶ皮膚科院長・皮膚科医。ヒアルロン酸、ボトックス治療に造詣が深い。オールアバウト美と健康のガイドでもあり、執筆、テレビ、ラジオなどのメディア活動も精力的にこなしている。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会認定医。
人間の体は、ほぼ水でできている
人間の体はほとんどが水でできています。性別や年齢で差はありますが、赤ちゃんでは体重の約75%、大人で約60〜65%、高齢者で約50〜55%を水が占めています。子供ほど水分量が多いのは、新しい細胞を作って成長するために水が必要だからと考えられ、20代後半くらいから徐々に水分量は減少していきます。
水分量が減るのは、筋肉が衰えるから。体内の水分量減少もまた、老化現象のひとつなのです。皮膚は、体の中で一番大きな臓器ですから、体内の水分量が減少すれば、当然、皮膚の細胞も水分不足に陥ります。
そして、さらに追い打ちをかけるのが、運動不足や寒さによる血行不良です。体内の水分は血液に乗って全身の細胞へと運ばれるため、血行が悪いと細胞のすみずみまで水分が行き届かず、細胞が干からびてしまうことに…。
肌細胞の水分不足が招く肌トラブル
特に冬は寒さから、体を動かす機会が減って筋肉量が減ったり、血管が収縮して血行が悪くなるなど水分不足に陥りやすく、肌細胞が水分不足になると、新陳代謝が低下して表皮ではターンオーバーが遅くなり、真皮ではコラーゲンやヒアルロン酸に水を蓄えられず、ハリや弾力が低下。シミやくすみ、シワ、たるみなど、さまざまな肌トラブルがさらに表面化しやすくなるのです。
皮膚は体の一番外側にあって、水分と油分で交互の膜を張り、ラップフィルムのように外からの刺激の侵入や、体内の水分蒸散を防いでいます。これが、いわゆるバリア機能です。細胞の水分不足によってバリア機能が崩れると、肌内部の水分が失われてしまうだけでなく、この時季特有の激しい乾燥によって外側からも水分が奪われてしまうことに。冬に大人の肌トラブルが増えるのはこのためです。
飲んで塗ってから内外から水分補給を心がけて
細胞の水分不足による肌トラブルから肌を救うために、誰でも簡単に、今すぐできる4つのポイントをご紹介します。
水を飲むことによって内側から水分を補給し、運動や入浴によって水循環をよくするとともに、スキンケアで外側からもしっかりと水分を補い、油分でフタをして、年齢とともに低下しがちなバリア機能を手助けしましょう。オールインワンジェルをお使いの人は、乾燥シーズンは特に、保湿力の高いジェルを使用して、水循環をよくしてあげるのがおすすめです。
※ 角層まで