腸内環境を美化して、めざせ!
素肌美人

腸内環境を美化して、めざせ!素肌美人

多くの女性が一度は悩んだことがある便秘。便秘が長引くとおなかがすっきりしないだけでなく、吹き出物やニキビに悩まされたりお化粧のりが悪くなったりとなにかと肌状態が悪くなる・・・という経験をしたことはありませんか?便秘は主に腸のはたらきがうまくいかないことで起こります。腸の不調が、肌に表れるのはなぜなのでしょう?今回は身体の内側「腸」に注目して、身体の表面の「美肌」を目指す方法を探っていきます。

腸はどんなはたらきをしているの?

●腸はどんなはたらきをしているの?

私たちが食べたものは食道を通って胃に入り胃液と混ざります。そうすることで消化しやすく変化した食べ物は、その後小腸に運ばれていき、そこから多くの栄養素が吸収されます。さらに大腸に運ばれて、そこで水と一部のビタミンも吸収されます。腸は“摂取した食物から栄養素を吸収する”という私たちが健康に生きていくうえで、とても大切な機能を果たす器官なのです。

<腸の健康が肌に影響するのはなぜ?>

栄養素は腸から吸収されます。逆にいうと、腸の具合が悪くうまくはたらかないと、何を食べても栄養素が身体に吸収されないということです。そもそもの吸収ができないと、身体全体に栄養素を行きわたらせることもできません。つまりどんなに栄養豊富な食材を食べても身体が栄養不足になってしまうという悲しい状態です。肌も例外ではありません。栄養が不足した肌は、乾燥しカサカサしてきてしまいます。さらにはその乾燥を補おうとして皮脂分泌が過多になり、吹き出物やニキビができるという事態も。また栄養不足だと肌をつくるための材料も不足するので、定期的に新しい肌に生まれ変わる「ターンオーバー」も正常に機能しなくなってしまいます。

腸が汚れる理由とは?善玉菌と悪玉菌のはなし

●腸が汚れる理由とは?善玉菌と悪玉菌のはなし

私たちの腸には多くの常在菌が存在しており、腸内細菌は約数万種類、100兆~1000兆個が生息し、1.5kg~2kgの重量になるとも言われています。腸内環境を菌の花畑にたとえて「腸内フローラ」と呼び、腸内細菌を健康維持に貢献する「善玉菌」、健康に害を及ぼす「悪玉菌」に分類し、説明されることが多いです。しかし実際の腸内常在菌は、大きく3つに分類できます。

①善玉菌

悪玉菌の繁殖を抑えて腸内環境を整えます。免疫力を高めたり、腸の動きを活発にするたよりになる菌で、代表的な例として乳酸菌が有名です。乳酸菌にはいくつかのタイプがあり、タイプごとに特徴や効果が異なります。例えば、小腸に棲んでいて免疫力を高めて感染症やアレルギーを軽減する「ラクトバチルス菌」や、大腸に棲んでいて腸のはたらきを活性化し、便秘や下痢の改善・美肌効果がある「ビフィズス菌」などがあります。

②悪玉菌

腸内で便を腐らせて有害なガスを発生させ、また匂いの元ともなる困った存在の菌です。発生した有害ガスは、腸を麻痺させてはたらきを低下させます。そうなると食べ物の消化や吸収はもちろん、排便のための腸のぜん動運動(便を腸から肛門まで運ぶ動き)も低下するので、便が腸の中に長く留まってしまう原因に。その状態が続くと、腸が吸収した有害ガスや老廃物を、血液やリンパに入れてしまうようになります。そんな有害物質が全身にまわり、やがて皮膚を通して出てくると、肌荒れという現象で現れるのです。

③日和見菌

善玉菌が優勢の時は善玉菌の味方に、悪玉菌が優勢の時は悪玉菌の味方になる、日和見的な菌です。理想的な割合は、善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7の状態です。腸がうまくはたらかない状態はすなわち腸が汚れた状態ですが、それは腸内の悪玉菌が増えた時に起こります。理想の割合を保つためにも、善玉菌を増やし、悪玉菌を増やさないようにすることが大切です。

美しい腸をつくる3つの方法

では、美しい腸をつくるためにはどうすればよいのでしょうか。毎日の中で摂り入れやすい3つの方法をご紹介します。

1. 発酵食品を食べて善玉菌を増やす

腸内にはたくさんの常在菌がいますが、たった一種類の菌しか入っていない食材を食べただけで腸内環境が整うことはありません。だから食事からいろいろな微生物を取り入れて、腸内細菌全体を改善していくことが望ましいのです。味噌やしょう油などの日本の伝統的な発酵食品は、何種類もの微生物により発酵されていて理想的です。ただ味噌やしょうゆも同じ食品には同じ菌しか入っていないので、毎日同じものを食べ続けるのではなく、さまざまな違うものを取り入れられたら尚良いですね。また発酵食品といえばヨーグルトを思い浮かべる方も多いと思います。ヨーグルトといえば善玉菌の代表格でもある乳酸菌ですが、一口に乳酸菌といっても実は350種類以上もあり、効能もさまざまです。どのヨーグルト(乳酸菌)が自分に合うかは食べてみないとわかりませんし、味噌・しょうゆ同様にさまざまな種類を試してみるのが良いでしょう。

2. 食物繊維たっぷりの食事を心がける。

食物繊維は便秘の解消に有効だと一度は耳にしたことがあると思います。食物繊維には、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があり、それぞれ異なったはたらきで便秘解消に貢献します。「水溶性食物繊維」は、海苔、昆布、わかめといった海藻類や、りんご、桃などの果物、かぼちゃ、ごぼう、またオクラやモロヘイヤなどの野菜に豊富に含まれており、水分を含みやすいため便を柔らかくします。「不溶性食物繊維」は、いんげん豆、あずきなどの豆類、エリンギ、えのきといったきのこ類などに豊富に含まれています。腸の中で水分量を増やし、腸を刺激することでぜん動運動を活発にします。中でもきのこ類は、βグルカンという抗酸化物質を豊富に含み、活性酸素の除去するはたらきもあります。活性酸素はストレスや紫外線を浴びること、過度の運動などにより発生しますが、腸内細菌は活性酸素にとても弱いのです。きのこ類は、腸のぜん動運動を活発にし、腸内細菌の味方もする一石二鳥の食材なのです。野菜をたくさん食べているのに便通が改善されないという方は、この2つの食物繊維の摂取バランスが、どちらかに偏っている可能性があります。あらためて食生活を見直してみると良いでしょう。

3. 適度な運動で腸の活動を促進

ウォーキングやストレッチなどの軽い運動も便秘の解消、ひいては腸の美化に有効です。人は排便のためにいきむ際腹筋を使っていますが、運動不足によりこれが衰えると腸の動きが鈍り、便秘を引き起こします。また心身のバランスが乱れると排泄に影響が出やすくなりますが、便秘になることで心身のバランスが乱れるという悪循環にも陥りがち。運動は胃腸の働きに大きな影響を与える副交感神経を活発にし、精神の安定を図ったり、体のリズムを整えたりする効果もあります。

腸内環境の改善には生活習慣の改善も不可欠とわかりましたね!
健康的な生活を心がけて、美しい腸と輝く美肌を手に入れましょう!