スキンケアやマッサージ、生活習慣による首のシワ対策を紹介するため、見た目年齢を少しでも若く、魅力的に維持するための参考に活用して下さい。
首のシワがひどい・深い…生まれつき?
生まれつきの首シワは、成長に伴い薄くなり、目立ちにくくなることが通常です。ただし、体型や前屈みの姿勢、骨格などの理由からシワが消えず、残ってしまう人はいます。このタイプに該当する場合、エイジングケアによる対処は難しいため、骨格矯正や美容外科治療を検討しなければなりません。
エイジングケア世代に見られるシワは、縦のラインが特徴です。ちりめんジワのような細かいシワが増加し、60代や70代の女性に見られる大きなシワに悪化します。縦のラインのひどいシワが生まれつき生じることは少なく、原因をふまえた対策を取ることによる改善が見込まれます。
首のシワができる原因4個
首のシワが生じる原因は、大きく4個考えられます。このうち、どれか1個だけが原因というわけではありません。4個全ての原因が重なり合って、首のシワの悪化を招くこともあります。
1. 紫外線ダメージ
まず、紫外線ダメージの蓄積です。紫外線を多く浴びると、活性酸素が生成されます。過剰な活性酸素は、肌の弾力を維持するために必要であるコラーゲン・エラスチンを攻撃し、肌の土台を崩す存在。活性酸素の影響が蓄積し、張りのある状態を維持できなくなってしまうと、シワやたるみが生じます。
2. 加齢の影響
次に、加齢による影響です。コラーゲンやエラスチンを生み出す力は、年齢を重ねるごとに低下します。これは、顔も首も同じことです。基礎力の衰えに対して適切なケアを行わなければ、シワやたるみは悪化します。
3. 肌の乾燥
首の皮膚はもともと薄く、皮脂腺が少ないことから、乾燥しやすい部位といえます。汗が蒸発する際、肌の水分を一緒に逃してしまうことも、乾燥を悪化させる要素です。乾燥した肌は水分保持力が衰え、弾力が失われます。水風船の水が抜ける時にシワシワになるように、首のシワやたるみが増加し、ひどく目立ってしまうのです。
4. 姿勢
うつむき姿勢でスマホを見たり、前のめりになってパソコンの画面を覗き込んだりした時には、首のたるみが目立ちますよね。この姿勢を行う頻度が高いと、シワやたるみが刻み込まれ、慢性的な症状に変わってしまうリスクがあります。弾力の衰えた肌は元通りに戻りにくいため、形状記憶リスクの高い状態です。姿勢の乱れを改善し、悪化を防ぐ習慣が求められます。
これらの原因からできてしまった首のシワは、スキンケアやマッサージ、日常生活の工夫による改善が見込まれます。首のシワの取り方をカテゴリー別に紹介するため、ぜひ参考にして下さい。
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首のシワの取り方・改善方法4個[スキンケア]
スキンケアによる対策は、角質ケア・保湿・エイジングケアの順番で行います。基本の手順やシワ改善に役立つ成分を覚え、首のケアを行いましょう。
1. ピーリングやゴマージュで角質ケアする
まず、市販のピーリングジェルやミルク、ゴマージュで行う角質ケアです。古い角質、汚れが残ったままでは、保湿アイテムが十分に浸透せず、思うような変化が見られないこともあります。
固くなった土を耕すように、滞留した汚れを取り除き、保湿アイテムの働きを助けましょう。ピーリングジェルとゴマージュの目的は同様なので、併用する必要はありません。
どちらかといえばピーリングの方が肌に負担をかけにくく、刺激を抑えてケアできます。また、次のような基準から、より低刺激のピーリング商品を選ぶことが可能です。
・クリームやミルクタイプのピーリングを選択する
・AHAなど、古くなった角質を溶かして取り除くタイプの商品を選択する
どのような商品を選択しても多少の刺激は与えるため、適度な頻度に留めて下さい。商品記載の頻度以上のお手入れは避け、正しく使用することが大切です。
2. ローションパックで保湿する
次に、保湿目的のローションパックを行います。以下の手順でパックを行い、紫外線や乾燥ダメージにより、弱った肌を保湿しましょう。
【1】大判コットンに水道水と化粧水を含ませる
大判コットンを水道水で軽く濡らし、その上からさらに保湿化粧水をしみ込ませます。水道水と化粧水を混ぜる理由は、コストパフォーマンスを高めるためです。首全体をケアするためにはかなりの量の化粧水を消費するため、水道水と混ぜて使うことにより、金銭的な負担を軽減できます。
【2】リフトアップするイメージでコットンを貼る
コットンを2〜4枚に割き、首全体をパックします。貼る時のポイントは、首のたるみを持ち上げるように、斜め上に向かって貼ることです。長時間の放置は避け、3分程度で剥がして下さい。
3. 顔用の化粧水や乳液を首まで使う
ローションパックより手軽な保湿対策として、顔の保湿を行う際、首も一緒にお手入れしましょう。顔の保湿やエイジングケアに役立つ成分は、首のケアにも対応できます。
化粧水を使用した後に美容液、乳液を使うといった順番も、顔のお手入れと同じで構いません。首も顔の一部と考えて、同じくらいの労力をかけ、お手入れを行うことが大切です。
4. ネッククリームでエイジングケアする
保湿の後は、ネッククリームを使用します。ネッククリームとは、顔用の基礎化粧品で言うところのクリームに該当するアイテムです。潤いを肌内部に閉じ込め、蒸発を防ぐことで、トラブルの修復やシワの目立たない肌への生まれ変わりを支援します。
即効性を重視する場合は、薬用有効成分を含むアイテムを検討できます。以下3つは、シワ改善の承認を受けた信頼度の高い成分です。
シワ改善成分 | 主な働き・メカニズム |
---|---|
レチノール | ヒアルロン酸の産出を促すことで表皮内の水分量を高め、ごわつきの解消、シワ改善を支援します。 |
ニールワン | 日本初のシワ改善有効成分として認可を受けた成分です。コラーゲンなど真皮層の構成成分分解を抑制し、シワの改善を助けます。 |
リンクルナイアシン | 真皮と表皮の両方に働きかけ、できてしまった表情ジワや乾燥ジワの改善を助けます。 |
首のシワの取り方・改善方法2個[マッサージ]
首の血流が悪いと、老廃物が滞留し、ターンオーバーを妨げます。セルフマッサージを行い、血流を改善しましょう。たとえば、以下のようなマッサージを試してみてはいかがでしょうか。
1. 手だけのリンパマッサージを行う
まず、朝・晩のスキンケアと合わせて行うマッサージの紹介です。道具を使わずに行うマッサージは手軽なので、日々の習慣として継続しましょう。
【1】耳たぶを揉む
耳たぶを揉んだり引っ張ったりして、首の血流を改善します。耳たぶには交換神経の繊維が多くあるため、全身がポカポカと温まる感じを受けるでしょう。30秒くらいを目安に、気持ち良い位の強さで行って下さい。
【2】胸鎖乳突筋に沿って流す
胸鎖乳突筋とは、横を向いた時に浮き出る筋肉のことをいいます。この筋肉に沿い、耳の下から鎖骨まで、上から下に流しましょう。鎖骨までたどり着いたら手を離し、耳の下に戻って流す動きを5回通り行って下さい。
【3】鎖骨のくぼみに圧をかける
鎖骨のくぼみに手を添え、4本指で圧をかけます。痛くない程度の強さで、5回を目安に押して下さい。
2. アルガンオイルでマッサージする
次に「若返りのオイル」とも言われるアルガンオイルを使ったマッサージ手順を紹介します。ビタミンEが豊富かつ浸透性の高いオイルに該当するため、保湿ケアの一貫として行うことも可能です。
【1】オイルをなじませる
適量のアルガンオイルを手のひらに出し、首・肩・デコルテラインになじませます。伸びが良く、サラサラした質感のオイルなので、大量になじませる必要はありません。アルガンオイルだけでは物足りなく感じる人は、ホホバオイルなど、こっくりとした質感のキャリアオイルに少量混ぜ、使用する方法もおすすめです。
【2】首のリンパを流す
手を軽く握り、グーの形にしたまま、耳の横から鎖骨までを流します。上から下へ流す動きを5回繰り返しましょう。
【3】鎖骨周辺のリンパを流す
4本指で鎖骨を挟み、鎖骨の中心から外側に流します。左右それぞれ5回通りを目安に中心から外側への動きを行って下さい。
【4】胸の上の筋肉をほぐす
鎖骨より下に下がり、胸の上の筋肉を内側から外側に流します。小さな円を描くような動きを行いながら脇近くまでほぐし、内側に戻って同じ動きの繰り返しです。左右それぞれ5回を目安に行いましょう。
首のシワの取り方・改善方法2個[日常生活]
首のシワは日常的な習慣から生じることも多く、以下のような心掛けが大切です。
1. ストレッチで首をほぐす
まず、作業中に行うストレッチです。凝りを溜めず、血の巡りが良い状態を維持することで、シワ改善を行いやすい環境を維持できます。
【1】背筋を伸ばして真っ直ぐ座る
背筋を伸ばして椅子に座り、片側の手をお尻の下に入れて下さい。
【2】首の横を伸ばす
お尻の下に入れた手と反対側の手を頭の上に添え、首を横に倒します。痛気持ち良く感じる程度の強さで、首の横を伸ばして下さい。この時、素早く動かすことなく、じわじわと行うことが大切です。
【3】左右を入れ替える
片側あたり20秒から30秒かけて横に倒し、左右を入れ替え、同じ動きを繰り返します。
1回あたりのストレッチを長く行うよりは、頻度を増やした方が、効率的にケアできます。デスクワークを行う時は1時間に1回、上記のストレッチを実践し、首のシワを改善しましょう。
2. 顔ヨガで首のたるみを解消する
次に、顔と首の筋力アップを行う顔ヨガです。年齢とともに衰えた首の筋肉を回復させることで、シワやたるみを解消し、ハリのある肌を取り戻します。
【1】顎・首・デコルテの筋肉を引き上げる
正面を向いたまま、デコルテラインで両手をクロスし、軽く下に引っ張ります。口角を上げて「ひ」の口の形を作り、筋肉を上に引き上げましょう。
【2】力を抜いて筋肉を緩める
口角をゆるめ、顎や首、デコルテラインの筋肉を緩めます。「ひっ」の小さな「つ」のところで緩める動きを実践するイメージです。
1と2を3回繰り返す「ひっひっひー」が1セットです。1日あたり5セットから10セットを目標に継続しましょう。
首のシワの取り方・改善方法3個[その他]
セルフケアで変化の見られないシワであれば、美容整形外科や美容皮膚科に相談する方法も一案です。クリニックで検討されるシワ取り治療メニューの例を紹介します。
1. 首のシワ・たるみ取り手術を受ける
耳の後ろの皮膚を切除し、首の筋肉を引き上げた状態で固定し、シワやたるみを解消するメニューです。希望する状態によっては、顎下の脂肪吸引を行い、すっきりと見せる対策も相談できます。手術から1週間程度は顔の突っ張りの目立つ可能性が高いため、仕事を休み、療養することが推奨されます。1週間から10日程度経過し、抜糸を行った後に職場復帰が可能です。
2. ボトックス注射を受ける
ボツリヌス菌という成分から抽出したタンパク質の一種を注射し、筋肉や神経の動きを麻痺させることでシワの解消を目指す治療法です。
深い首のシワではなく、小ジワやちりめんじわに対し、検討されるメニューと言えます。永久的な変化は期待できず、数ヶ月単位のメンテナンスが必要です。必要に応じて、ヒアルロン酸注入を同時に行い、見た目の印象を整えることもあります。
3. シワ取りレーザー治療を受ける
シワ取りレーザー治療とは、医療用のレーザーマシンで皮膚を刺激し、コラーゲンの生成を促すためのメニューです。レーザー照射直後に大きな変化が生じるわけではなく、肌細胞の修復が一定レベルまで進んだ1週間後程度から見た目の違いを実感すると言われています。
1回で満足のいく変化が見られない場合は、3〜4回の通院が必要です。必要に応じて、コラーゲンやエラスチンの合成を促す成長因子パックを併用し、より積極的な治療を行うこともあります。
首のシワを目立たなくする・隠す方法3個
今すぐに何とかしたい首のシワは、メイクテクニックやファッションアイテムにより、隠すもしくは視線を反らすことができます。記念日のお出かけにもぴったりの首シワをカバーするアイディアを紹介しますので、コンプレックスの解消手段として活用して下さい。
1. コンシーラーとパウダーで隠す
まず、コンシーラーとパウダーで隠す方法です。白いコンシーラーを首のシワ部分に乗せ、パウダーで押さえます。白いコンシーラーを使用する理由は、光の力でシワを飛ばし、自然にカバーするためです。
シミやほくろを隠すためにも活躍するため、1つ用意していると、いろいろな用途に使用できます。パウダーは、顔に使用するものと同じで構いません。首用に購入する場合は、くすみカバーが得意なパープルもしくはピンクを選択しましょう。
2. シワ伸ばしテープを使う
次にシワ伸ばしテープを使い、引き上げる対策です。首の横からうなじの方に引っ張るようにテープを貼ると、シワが目立ちにくくなります。シワ伸ばしテープの中には寝ている間に使用するように作られたものもあるため、日中用を選択しましょう。
また、この対策は、首の皮膚に負担をかけ、シワを悪化させる可能性が否めません。頻繁な使用は避け、特別な日限定の対策に留めることをおすすめします。
3. スカーフやマフラーで隠す
最後に、スカーフやマフラーを使用し、首元カバーを行う方法です。首元の露出を抑えることは、紫外線対策にもなるため、首のシワの悪化予防にも貢献します。
スカーフの巻き方や柄はトレンドが伴うため、雑誌やテレビの特集を参考にしましょう。スカーフでもマフラーでも、パーソナルカラーに応じた色を選ぶことで、顔周りを明るく、華やかに見せることが可能です。
首のシワの予防対策3個
首のシワの改善には一定期間を要するため、できる前の対策が大切です。以下のような予防対策を実践し、シワの悪化を防ぎましょう。
1. スマホの持ち方を変える
スマホを見る時にうつむき加減になってしまうと、首のシワを悪化させるリスクがあるため、正しい持ち方に改善しましょう。
大きく首を曲げなくても画面が見える位置までスマホを上げ、両方の肩を同じ高さに維持した状態が理想的な持ち方です。
この体勢で長時間スマホを操作すると、想像以上に疲労しますが、電子機器との付き合い方を見直す良い機会。画面から発するブルーライトが肌に対して悪影響を与えるといった説もあるため、適度な時間に留めることをおすすめします。
2. 座り方を改善する
次に、正しい椅子の座り方を実践し、猫背を治す対策です。猫背のままデスクワークを行うと、首周りの筋肉が硬直し、血流が悪化します。首のシワだけではなく、腰痛や肩凝りの原因にもなるため、正しい座り方に切り替えましょう。ここでは、正しい座り方のポイント3点を紹介します。
【1】背もたれに触れるまで深く座る
やや前屈みの姿勢でお尻を押し込み、背もたれに触れる位まで、しっかりと腰掛けます。そのまま骨盤を立てた姿勢が理想的な座り方です。座り方が浅いと、猫背になりやすく、背中や首の凝りを招きます。お尻と背中の一部は背もたれにつき、背骨のラインが自然なS字カーブを描く状態を維持しましょう。
【2】肘・膝・腰を垂直に曲げる
肘や膝、腰は垂直に曲げ、かかとは床に付けて下さい。椅子やデスクの高さが合わないと良い姿勢をとることが難しいため、調整が必要です。
【3】パソコンの画面を目線に合わせる
真っ直ぐ前を向いた先にモニターが来るように、高さを調整して下さい。ノートパソコンは専用の台座に乗せて、不足する高さを補いましょう。
3. 首の紫外線対策を行う
顔に日焼け止めを塗る時は首まで伸ばし、紫外線対策を行います。首の後ろや顎の下など塗り忘れの起こりやすい部位を含めて、ムラなく対策して下さい。
首のシワに影響する紫外線のUVAは、窓ガラスやレースのカーテンを通り抜けるほど強いため、外出しない日も含めた対策が必要です。長時間の外出は、2〜3時間置きに日焼け止めを塗り直し、うっかり日焼けを防ぎます。
塗り直しが難しい状況では、ツバの広い帽子や日傘、UVカット機能のついたスカーフを活用しましょう。照り返す紫外線による日焼けを避けるためには、裏地が濃い色である帽子や日傘がおすすめです。
まとめ
首のシワの原因と予防・改善対策について紹介しました。これまで何も対策してこなかった人ほど、きちんと取り組むことによる大きな変化が期待されます。
大人の女性のショートヘアやボフスタイル、まとめ髪をすっきりきれいに見せるためには、首からデコルテラインの美しさが重要です。いつまでも若々しく理想的な自分でいるためのお手入れを早速今日から始めましょう。