背中のシミの原因と改善対策を知り、薄着の季節や記念日に備えましょう。
気づいたら背中がシミだらけ?
顔の次に皮脂分泌が活発で、ニキビのできやすい背中は、トラブルを起こしやすいパーツといえます。柔軟性などの理由から隅々に手が届かず、日焼け止めの塗りムラが生じやすいこともトラブルを悪化させる要因の1つ。
「背中の開いた洋服や水着を着用した後、急激にシミが増加した」といった経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
うっかり日焼けの影響は、1〜3ヶ月程度経過した後に表面化します。すぐにシミが現れず「よかった」と油断することは時期尚早です。年齢を重ねるごとにダメージが蓄積し、気づいた時にはシミだらけ… といった状況を招いてしまうリスクがあります。
背中のシミの種類3個
「背中のシミ」と一口にいっても、様々な種類があります。種類によって対策が異なることから、正しい理解が不可欠です。以下3種類の中から、ご自身のシミの種類を特定しましょう。
1. 老人性色素斑(日光黒子)
紫外線をたくさん浴びた時に見られるシミは「老人性色素斑」に該当します。一般的には「30代以降に増加する」といわれますが、「20代には起こらない」というものではありません。大量の紫外線を浴びる・著しくケア不足などの理由があると、若いうちからシミだらけになってしまう女性もいます。
2. 炎症後色素沈着
炎症後色素沈着とは、背中ニキビや虫さされ、アトピーができた部位に残ってしまったシミのことです。炎症が引いた後に茶色く残った色素沈着は、このタイプと考えられます。日本人はもともと、炎症後色素沈着を起こしやすい肌質です。特別なお手入れを行わなくとも、肌の生まれ変わりとともに自然に消えることがあります。
3. そばかす
主に遺伝要素により発症し、幼児期から思春期にかけて濃くなるシミです。顔にできるイメージが強い種類に該当しますが、背中に目立つ人もいます。老人性色素斑同様に紫外線ダメージにより濃くなるため、大人になってから悪化し、自覚するようになったものも「そばかす」です。
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背中のシミの原因4個
紫外線により背中のシミが悪化することは、ここまで紹介した通りです。紫外線以外に考えられる背中のシミの原因は、4個あります。
1. 背中ニキビ
まず、背中のブツブツ・ニキビです。ボディソープのすすぎ残しや古くなった皮脂、角質が毛穴に詰まり、アクネ菌が繁殖すると、背中ニキビが生じます。
炎症によって刺激を受けた肌は黒色メラニンを大量に生成し、シミのできやすい状態へと傾くのです。衣服やかたいボディタオルによる摩擦刺激も、黒色メラニン生成を誘発します。トラブルを起こした背中をいたわり、負担をかけない対策が必要です。
2. 誤ったニキビケア
次に、誤ったニキビケアです。背中のニキビは、マラセチア菌(真菌)や黄色ブドウ球菌が毛穴内部に入り込み、炎症が生じたもの。専用のケア商品を活用し、正しい対処を行わなければ、症状が治まりません。
アクネ菌を原因とする顔ニキビと同じ対処を続けてしまった結果として、きれいに炎症が治らず、色素沈着を誘発するリスクがあります。
3. 背中の乾燥
3個目の原因は、乾燥です。潤い不足から肌の基礎力が低下し、ターンオーバー周期が乱れると、黒色メラニンの排出が滞ります。炎症後色素沈着を治りにくくする原因でもあるため、正しい保湿を実践しましょう。
4. ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスとターンオーバー周期には、密接な関わりがあります。「生理前は背中ニキビが増加する」といった症状も、ホルモンバランスの影響によるもの。生活習慣の見直しにより、ホルモンバランスを整えることがシミのないきれいな背中の近道です。
さて、いかがでしょうか。思い当たる原因が複数あった人も、正しい対策を行うことで、シミを消すもしくは薄くすることができます。以下で紹介する対策の中から、状態に合うものを選択し、地道な努力を続けましょう。
背中のシミの改善対策3個[スキンケア]
スキンケアによる対策の基本方針は、洗い方の見直しです。美白石鹸・ハイドロキノンソープ・ピーリング石鹸の中からあなたの状態に合うものを選択し、シミの予防・改善を行いましょう。
1. 美白石鹸を使用する
美白成分の含まれる石鹸には、できてしまった背中のシミを薄くしたり、黒色メラニン生成を阻害し、予防を行ったりといった働きが期待されます。すでにシミが見られ、薄くしたい時におすすめです。とくにおすすめしたい成分は、以下2種類です。
◯ビタミンC誘導体
メラニンを黒く変えるチロシナーゼの働きを抑制するとともに、ターンオーバーを促進し、色素沈着解消を助けてくれます。
◯アルブチン
コケモモやウワウルシに含まれる成分。ビタミンC誘導体と同じように、チロシナーゼの働きを抑え、シミの増加を予防します。
美白石鹸による対策はすぐに変化の見られるものではないため、日常的に使いやすい価格の商品を選択しましょう。
2. ハイドロキノンソープを使用する
どうしても何とかしたいシミには、ハイドロキノンソープを検討しましょう。ハイドロキノンは「肌の漂白剤」とも呼ばれる強力な成分。ビタミンC誘導体やアルブチンの約100倍の作用といった説もあるほど、信頼度の高い成分です。皮膚科のシミ取り治療でも、ハイドロキノン配合製品が活用されます。
市販のハイドロキノンソープは、濃度を抑えることによりマイルドな使い心地にしているものの、刺激を感じる人もいるため、相性チェックが必要です。シミの気になる背中にだけ使用し、他の部位には別の商品を活用するなど、使い分けも検討しましょう。
3. ピーリング石鹸を使用する
ピーリングとは、肌表面に滞留する角質を人工的に落とし、ターンオーバーを促進するお手入れです。色素沈着部分を剥がし、新しい肌への生まれ変わりを促すことで、シミを消す働きが期待されます。石鹸タイプのピーリングは、ジェルや拭き取りタイプと比較し、マイルドな働きです。シミケアだけではなく、角質ケアやニキビ予防にも活用できます。
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背中のシミの改善対策2個[化粧品]
次に、基礎化粧品を活用したシミ対策を紹介します。美白・保湿と、2種類の基礎化粧品を活用し、シミの予防・改善を目指しましょう。
1. ボディミルク・クリームで美白する
できてしまった背中のシミは、美白クリームでケアできます。お風呂上がりのケアとして、美白成分入のボディミルクやボディクリームを使いましょう。ボディミルク・ボディクリームの違いは、油分の量です。ボディミルクの方が油分は少なく、サラサラした質感。油分の多いボディクリームは、どっしりと濃厚な質感です。
背中にうまく塗れない時には、専用グッズを活用しましょう。孫の手のような形状をしたグッズを使えば、ひとり暮らしの女性であっても、ムラなくケアが可能です。
2. ボディミストやローションで保湿する
背中の乾燥がシミを悪化させることは、原因のところで紹介した通り。乾燥が気になる時には、ボディミストやローションを使い、水分補給を行いましょう。これらの商品は、顔でいうところの化粧水にあたる位置づけ。美白系のボディミルクやクリームと併用する場合には、ボディミストやローションを先につけます。
ボディミストやローションは、背中以外の保湿にも使えるため、大容量タイプを購入しましょう。ポンプ式タイプは、お風呂上がりにさっと使え、コストパフォーマンスに優れた商品が多くあります。顔と身体に使う保湿成分は同様ですから、顔用化粧水の余った分をボディケアに使用する方法も一案です。ただし、あまりにも古い商品は劣化リスクが伴うため、適切な方法で保管した期限内の化粧水だけを使ってください。
背中のシミの改善対策5個[その他]
セルフケアでは改善できない背中のシミは、医療機関に相談しましょう。ここでは、医療機関で受けられるシミ取り治療や生活習慣見直しによる対策を紹介します。
1. シミ取りレーザー治療を受ける
シミ取りレーザーとは、医療用のレーザーマシンを使用し、黒色メラニンを破壊する治療法です。シミ取りだけではなく、毛穴の引き締めやくすみケアを行うことのできるマシンもあります。
スポット的に濃くなった老人性色素班に対して推奨されることの多い治療に該当し、肝斑やアザのケアは苦手分野。シミ治療の実績豊富なクリニックに相談し、正しい原因把握のもとで照射を受けるとよいでしょう。
2. フォトフェイシャル治療を受ける
フォトフェイシャルとは、IPLという特殊な光を背中に照射し、シミやニキビ痕、くすみ解消を目指す治療法です。「フェイシャル」という名称ですが、背中のシミにも対応できます。レーザー治療では対応しにくい広範囲に渡る薄いシミは、フォトフェイシャルの得意分野。その他に、ダウンタイムが短い・照射箇所にテープを貼る必要がないといった特徴があります。
3. シミ用の飲み薬でインナーケアする
医療機関では、シミ用の飲み薬を使用し、ケアを行うことがあります。医師の診察のもと、シミの種類に応じた飲み薬を服用するため、適切なアプローチが可能です。医療機関への相談に抵抗を感じる場合は、市販の飲み薬を検討してはいかがでしょうか。
市販のシミ用飲み薬には、ビタミンCやL-システイン、ビタミンEなどが含まれます。医療機関で処方される内服薬と比較して各成分の配合量は少なく、マイルドな働きではあるものの、ドラッグストアや通信販売から入手できます。スキンケアや基礎化粧品を活用したケアと併行し、使用することにより、インナーケアが可能です。
なお、マイルドな働きに抑えているとはいえ、副作用リスクは伴います。第3類医薬品として認可を受けた商品は、安全性を確認したうえで発売されることから、重篤な副作用が生じる可能性は低いのですが、「絶対に起こらない」とは言いきれません。一定期間継続しても背中のシミに変化が見られない時には、一旦服用を中止する・医療機関の受診をあらためて検討するといった対処をおすすめします。自己判断で規定量以上を飲む・長期間服用するといった使い方は避け、副作用リスクを軽減しましょう。
4. 紫外線対策を正しく行う
背中のシミの改善には、紫外線対策が欠かせません。以下のことを実践し、ダメージの蓄積を防ぎましょう。
・日焼け止めを毎日使い、汗をかいたら塗り直す
・背中の開いた服を控える
・UVカット素材のカーディガンやパーカーを羽織る
・日傘や帽子を活用する
背中に塗る日焼け止めは、スプレータイプをおすすめします。吹きかけるだけで使用でき、手の届きにくい部分も含め、紫外線対策ができるためです。家族と一緒にお出かけする時であれば、背中にムラなく伸ばしてもらい、対策する方法もよいでしょう。
5. 糖分を控える
仕事や家庭のストレスが溜まった時、スイーツやジュース、菓子パンを食べ過ぎてしまうことがあります。これも実は、背中のシミを悪化させる1つの要素。肌の糖化が進み、くすみがちとなるうえ、ターンオーバーのリズムを不安定にし、色素沈着を招くリスクがあります。糖分を含む食べ物・飲み物は適量に留め、バランスのよい食生活へと切り替えましょう。どうしても間食を摂りたい時には、以下の食材をおすすめします。
◯ナッツ類
ビタミンE・ビタミンB群・良質な脂質を含み、美肌作りやダイエットを助けてくれます。繊維質を多く含み、腹持ちがよい点も特徴です。カシューナッツは比較的糖質が多いため、アーモンド・くるみ・ピスタチオなどをおすすめします。
◯ミニトマト
ミニトマトのビタミンC含有量は、普通のトマトの2倍です。ミニトマトに含まれるリコピンは、黒色メラニン生成を抑制できる優秀な栄養素。そのまま食べることはもちろん、ヨーグルトと一緒にスムージーにしたりトマト寒天にしたりと、アレンジが豊富です。
まとめ
背中のシミの原因と改善対策を紹介しました。紹介した対策以外にも、睡眠リズムを整える・適度な運動で血行促進・ストレスを溜めないことなど、美肌作りに役立つ習慣・ルールは多くあります。
シミケアは「これだけ行えばOK」というものではなく、複数の対策を組み合わせ、継続的に行うことが大切です。美しい背中を作り、維持するために、できることから実践しましょう。