ワセリンを顔に塗るときの使い方と注意点7個!量や副作用は?

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シンプルケア派の女性に根強い人気を誇るワセリンですが「顔に使うことはできるのか?」「いろいろな種類があるけど何が違うの?」といった疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。

正しい知識を持たないままに使用すると、肌荒れやアレルギーを引き起こすリスクがあります。ワセリンを顔に使う前に知っておきたい基礎知識を今一度おさらいしましょう。

目次

ワセリンとは?成分は?

ワセリンとは、石油を精製して作られる保湿剤です。乾燥や皮膚炎、アレルギー症状によりバリア機能の低下した肌に使用し、潤いを閉じ込めます。美容オイルやクリームのように、肌によい成分を含むわけではなく、表面を保護するにすぎません。化粧水のように水分を補充することもなく、一般的な基礎化粧品とは異なります。

「石油」と聞くと肌に悪いイメージを伴いますが、基礎化粧品やコスメの原料でいうところの「鉱物油(ミネラルオイル)」の仲間です。日本化粧品工業連合会のホームページでは、鉱物油の安全性に対して、次のように述べています。

鉱物油は肌に悪いというイメージがあるのは、第二次世界大戦後のまもない頃、不純物を多く含む鉱物油を配合した化粧品があったためであるとも言われています。しかし、現代では精製技術が格段に進歩したため、安全性に問題はなく、安心してお肌などに使用できるものです

この見解から判断するに、現在発売されているワセリンは、安心して活用できます。

ワセリンの種類

ひと口に「ワセリン」といっても、いろいろな種類があります。肌質や利用する目的に応じて、適したものを選択しましょう。

黄色ワセリン4種類の中では不純物の含有量が多い種類です。比較的リーズナブルな価格の商品が多く、スーパーやドラッグストアでも購入できます。不純物の含有量が多いとはいえ、皮膚科治療薬の軟膏基材として活用されるケースも多く、低品質というわけではありません。ただし、敏感肌やアトピー肌の女性は、扱いに注意しましょう。
白色ワセリン黄色ワセリンよりも純度の高いワセリンです。白色ワセリンをさらに細かく分類すると、第3医薬品・医薬部外品の2種類があります。

第3医薬品:主に治療目的で使用される白色ワセリン。皮膚科でワセリンをもらう場合、この種類を処方されることが多くあります。

医薬部外品:主に美容目的で使用される白色ワセリン。第3医薬品よりグレードが低いというわけではなく、「肌荒れ・乾燥防止」など、治療というより美容目的を訴求する商品が多くあります。
プロペト白色ワセリンよりもさらに純度の高いワセリンです。目元などデリケートな部位に対して使用されることが多くあります。医療機関のアトピー治療でも処方される種類ですが、美容目的でもらうことは避けましょう。
サンホワイト4種類の中で、もっとも純度の高いワセリンです。乾燥性敏感肌や赤ちゃんの保湿・スキンケアに活用されます。サンホワイトの中でも、しっとりと濃厚なタイプ・ベタつきを抑えたタイプの2種類があり、利用目的に応じた選択が可能です。

ワセリンを顔に塗っても大丈夫?

ワセリンは、顔を含めた全身に使用できます。目元や唇といったトラブルを起こしやすい部位への利用も可能です。ただし、肌質との相性はあるため、無理な使用は避けましょう。トラブルが不安な人には、白色ワセリンやプロペト、サンホワイトといった精製度の高い種類をおすすめします。

また、顔に塗る場合には、純粋なワセリンであることを確認しましょう。市販品の中には、ワセリンを主原料とし、香料やグリセリン、コラーゲンなどを配合したボディ専用商品も見られます。商品の原料表示を確認し、ワセリン100%の商品でない場合は、メーカー指定の使い方に従いましょう。

ワセリンを顔に塗るときの使い方

ワセリンは、一般的なクリームや保湿剤と同じように活用できます。肌質に合わせた化粧水を使用した後、ワセリンを塗りましょう。米粒1〜2杯程度の量を手の平に出し、両手で挟み込むように温めてから、顔全体に伸ばします。使用量が多すぎると肌トラブルを助長するリスクがあるため、少量をまず使い、足りない場合には増やすといった使い方がおすすめです。

応用的な塗り方として、日焼けし、赤くなった肌に使用する方法もあります。赤くなった箇所を冷やし、火照りを取り除いた後にワセリンを薄く塗り、水分の蒸発を防ぎましょう。赤くなった肌は軽い火傷の状態なので、使い慣れた化粧水や美容液であっても敏感に反応し、肌トラブルを悪化させるリスクがあります。

そこで、ワセリンだけを使用することで、敏感になった肌を一時的に保護。状態が落ち着いたところであらためて保湿を行い、健康状態を回復させます。季節性敏感肌にも、日焼け後と同じ使い方がおすすめです。高価な化粧水や美容液を使用する積極的なお手入れは、肌の健康状態回復を確認してから行いましょう。

最近の傾向として、たくさんの基礎化粧品を活用する贅沢ケアより、最低限のアイテムだけを使用するシンプルケアが推奨されます。余計な成分を含まない100%のワセリンを上手に使い、10年後や20年後まで老けない肌を目指してみてはいかがでしょうか。

ワセリンの副作用は?黒くなる?赤くなる?

副作用が起こりにくいワセリンですが、微量に含まれる不純物により、赤くなったりかゆみが出たりと、拒否反応を起こしてしまう人もいます。保湿剤を使用し、かゆみや発疹を起こした経験のある人は、かかりつけの病院や薬剤師に相談しましょう。

副作用というわけではありませんが、純度の低いワセリンを朝のケアに使用することにより、油焼けすることがあります。油焼けとは、ワセリンの中の不純物が紫外線により酸化し、色素沈着を誘発する症状です。

朝のお手入れに使用する場合には、精製度の高いものを少量伸ばし、日焼け止めの併用をおすすめします。

ワセリンの注意点7個

敏感肌や乾燥肌にも使用しやすいワセリンですが、守ってほしい注意点がいくつかあります。以下で紹介する注意点を守り、安全に活用しましょう。

1. ニキビの悪化リスクを伴う

洗顔後にワセリンだけで行うお手入れは、うるおい不足を招きやすく、大人ニキビを悪化させるリスクがあります。使い方のところで見たように、保水をきちんと行った後にワセリンを使用し、肌荒れリスクを軽減しましょう。

肌断食のように、化粧水や美容液によるお手入れを控え、ワセリンだけで行うケア方法は、向き・不向きが分かれます。一時的な肌荒れの増加を「好転反応」と考える人もいますが、素人判断は危険です。お手入れに伴うリスクを理解したうえで「どうしても挑戦したい」と考える人以外には、王道的な活用法をおすすめします。

2. 黄色ワセリンを赤ちゃんに使用しない

赤ちゃんの保湿には、精製度の高いワセリンを使用します。最低でも白色ワセリン以上を選び、黄色ワセリンは避けてください。ベビー用品売り場で扱われる赤ちゃん用の商品であれば、安心して使用できます。赤ちゃん用の商品を大人が兼用したとしても、問題はありません。

3. クレンジング・洗顔後に使用する

ワセリンは、クレンジング・洗顔をきちんと行い、きれいな肌に使用します。汚れの残る肌への使用は、毛穴詰まりの原因です。汚れをエサにアクネ菌が繁殖すれば、炎症ニキビを悪化させます。

洗顔後のすすぎが足りない・汚れたタオルで拭くといった間違ったお手入れを行った後、ワセリンを使用するケースも同様です。正しいクレンジングや洗顔方法を今一度見直し、トラブルリスクを軽減したうえ、お手入れを行いましょう。

4. 容器の中に指を入れない

純度の高いワセリンは、劣化しやすい状態です。埃や皮脂が容器の中に入らないよう、スパチュラやスプーンを使用しましょう。スパチュラやスプーンの準備を面倒に感じる人には、チューブタイプのワセリンがおすすめです。使用する分だけ押し出して使用するため、衛生的にお手入れできます。

5. 容器の移し替えを行わない

ほかの容器に移し替えて使用することにより、品質劣化や誤使用を助長するリスクがあります。持ち運び用には、小さいサイズのワセリンをあらためて購入し、移し替えを避けてください。

6. 日光の当たらない場所で保管する

ワセリンは、日光の当たらない涼しい場所に保管しましょう。極端に湿度の高い場所・高温になる環境は避けてください。白色ワセリンの表面が変色した、古い油のような臭いがするといった異変に気付いた際には、肌への使用を控えましょう。

精製度の高いワセリンは比較的安定度の高い性質ですが、蓋を開けたまま放置した・指の汚れが混入したなどの理由により、劣化が進むこともあります。開封したワセリンは使用期限に限らず、できるだけ早くしようしましょう。

7. 入浴直後の使用は刺激・かゆさを感じやすい

入浴直後にワセリンを使用すると、刺激やかゆさを感じてしまう人もいます。ワセリンの膜により熱がこもって、敏感に傾くためです。刺激やかゆさをひどく感じる場合は、入浴直後の使用を控え、ボディクリームを活用しましょう。時間を置き、熱が引いたタイミングであれば、ワセリンを使用できます。

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ワセリンのその他の使い方10個

大容量のワセリンを使い切ることができず、使用期限が切れてしまった経験はありませんか。ワセリンは、いろいろな用途に活用できる汎用性の高いアイテムです。顔に塗る以外の活用法をマスターし、1本まるまる使い切りを目指しましょう。

1. マッサージオイル代わりに使う

こっくりとしたテクスチャのワセリンは、全身のマッサージに使用できます。顔の保湿を行う時より多めの量を手のひらに出し、体温でやわらかくしたうえ、使ってください。全身のケアを行う時のポイントは、鎖骨周りをまず流し、ほかの部位へと進むことです。左鎖骨の下を指の腹で軽く押し、出入り口をほぐしましょう。その後、胸の中央から脇までのラインを4本指でさすります。

鎖骨の次は、上半身です。首や腕、お腹周りのマッサージを行い、下半身へと移行します。すべてを行うことが難しい日であれば、鎖骨+上半身・鎖骨+下半身など、目的に応じた組み合わせにより実践しましょう。

2. リップクリームやバーム代わりに使う

リップクリームやバームのない時には、ワセリンで代用できます。適量を薄く塗るだけでしっとりうるおい、乾燥や皮剥け防止が可能です。シワを埋めるように縦方向に塗っていくと、唇をふっくら見せる働きが期待されます。縦ジワをカバーしながら保湿でき、エイジングケア世代にとって、心強い存在です。

さらに、ワセリンは、リップ下地代わりにも活用できます。ワセリンの上からUVカットタイプの口紅を使用すれば、紫外線ダメージを気にする人も安心です。

市販のリップクリームやバームには、保存料・香料を含むものが多いのですが、荒れた唇にとっては負担が重く、トラブルを悪化させるリスクがあります。代用品としてワセリンを使用し、唇の荒れや乾燥を気にすることなく、リップメイクを楽しみましょう。

3. 唇の集中ケアに活用する

唇の集中ケアにも、ワセリンが活躍します。ラップとワセリンを用意し、以下の手順でパックしましょう。

【1】コットンを唇にあてる
お湯をに浸したコットンを唇にあて、3〜4分程度温めます。

【2】ワセリンでパックする
多めのワセリンを唇に塗り、しっかりと保湿します。その上からラップを被せ、3〜10分パックしましょう。

積極的なケアを行いたい日には、はちみつ・ワセリンパックもおすすめです。はちみつとワセリンを1:1の割合で混ぜ、パックの際に使用します。パック後のベタつきが気になるようであれば、コットンでやさしく拭き取るもしくは、ぬるま湯ですすいでください。

はちみつには、天然の保湿成分アミノ酸やミネラル、ビタミンBが含まれ、乾燥や紫外線によるトラブル補修を助けてくれます。かさつきや皮剥けがとくに気になる時の集中ケアとして、定期的に実践しましょう。

4. かかとのひび割れ・かさつきを予防する

サンダルを履く季節に気になるかかとのごわつき、ひび割れは、保湿によってケアできます。朝・晩2回ワセリンを塗り、ダメージを受けたかかとを保護するだけで、ごわつきケアが可能です。

ピーリングを行い、角層を削ってしまうと、ごわつきが悪化するケースもあります。刺激に対して防御反応を起こし、角層を厚くする可能性が伴うためです。ワセリンによるマイルドなお手入れをまず実践し、どうしても状態が落ち着かない場合にだけ、ピーリングを行いましょう。

5. 靴ずれや角質肥厚を予防する

ピーリング後のかかとは、厚くなった角層を取り去り、ダメージを受けやすい状態です。ワセリンで保護し、靴やストッキング、サンダルからの刺激を和らげましょう。かかとだけではなく、側面や甲にも塗ることで、靴擦れを防止できます。外出先で痛みを感じた際の応急処置にもおすすめです。

6. 湿疹・手荒れを防ぐ

料理や洗濯、掃除と、水に触れる頻度の高い主婦の手は、トラブルを起こしがちです。ワセリンを塗り、ビニール手袋をつけた状態で水仕事を行うことで、湿疹や手荒れを防止できます。温水を使用する際にこのケアを行うと、スチームをあてた時のようにしっとりうるおい、時短ケアが可能です。ゆっくりとお手入れを行う時間がとれなくともきれいな手を維持でき、かさつき・手荒れを予防できます。

ワセリンはハンドクリームとして使うこともできるため、お風呂上がりや手洗いの後に薄く伸ばし、バリア機能を補うこともおすすめです。脱衣所や洗面所にワセリンをストックし、日常的な習慣として継続しましょう。

7. ヘアオイル代わりに使う

切れ毛や髪のぱさつきは、髪の乾燥が一因です。シャンプー後にワセリンをなじませ、ドライヤーをかけるだけで、しっとりとうるおいます。ワセリンをヘアオイル代わりに使う時のポイントは、次のことです。

・頭皮近くに塗りすぎず、毛先を中心に使用する
・表面だけではなく、内側までなじませる
・ドライヤーの冷風は使わず、温風で乾かす

冷風を使用すると、ワセリンが固まり、髪へのなじみが悪くなります。温風をあてることにより、やわらかい状態のまま、お手入れが可能です。頭皮にオイルを塗りすぎてしまうと、ベタつきやかゆみを助長するリスクがあります。乾燥しやすい毛先周辺を中心として、薄くつける程度に留めてください。

ワセリンは、朝のスタイリングにも便利です。適量をなじませるだけで、まとまりが良くなり、自然なスタイルに見せてくれます。適度なホールド感を伴うため、まとめ髪にも便利です。市販のワックスのように香料を含まず、出勤前のスタイリングに重宝します。

8. 頭皮の臭い・ベタつきを予防する

頭皮の臭いやべたつき対策にも、ワセリンを活用できます。適量を指にとり、頭皮全体になじませましょう。手の位置を変えながら頭皮全体をマッサージし、シャンプーで洗い流すと、溜まった汚れがすっきり落ちます。頭皮が乾燥してかゆい場合は、シャワーから出た後にワセリンを薄く塗り、適度な油分を補いましょう。

9. 鼻に塗って花粉をブロック

鼻の入り口にワセリンを塗ることで、花粉の侵入を予防できます。鼻の奥までは塗らず、入り口あたりにだけ、綿棒の先が覆われるくらいの量を使いましょう。

このケア方法は、イギリスの国民保健サービスも推奨する信頼度の高い使い方です。1日数回程度は鼻をかみ、花粉のついたワセリンを落とすことが推奨されます。

なお「ワセリンを使用すれば、マスクは不要」というわけではありません。ワセリンの上からマスクを使用し、ダブルの防御層を作ることで、花粉の侵入を防ぎます。

10. 赤ちゃんのおむつかぶれを予防する

赤ちゃんの肌は、大人よりもデリケートです。おむつの触れる部分が赤く腫れる・発疹やただれができるといった症状の予防にワセリンを活用しましょう。おむつを交換した後にきれいに洗い、乾燥させた後にワセリンを塗ることで、バリア機能を補完できます。

ワセリンを塗りすぎてしまった場合は、ティッシュで拭き取り、適度な厚さに調整しましょう。重症化したかぶれは、ワセリンだけのお手入れでは治らない可能性が高いといえます。市販の軟膏や医療機関で処方された薬を使用し、炎症が治まった後から、ワセリンを使いましょう。

まとめ

赤ちゃんから高齢者、働き世代まで、年齢や性別を問わずに使用できるワセリンの活用テクニックを紹介しました。注意点を守り、お手入れに活用することで、しっとりとしたスベスベ肌を維持できます。家族全員の肌荒れ・保湿対策として、ワセリン生活を始めてみてはいかがでしょうか。

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