マスクで角栓が増える原因と毛穴を綺麗にするための対策を今一度確認し、悩みを解消するためのヒントを得てください。
角栓とは?
角栓とは正常に剥がれなかった古い角質や皮脂などが毛穴に詰まり、塊化したものです。健やかな肌では一定の周期でターンオーバーが行われ、新しく作られた肌細胞が表面近くに押し上げられて角質になり、古いものと入れ替わります。角栓はターンオーバーが行われる際に排出されますから、毛穴に溜まっていきません。
しかし、ターンオーバー周期が必要以上に速いときちんと剥がれ落ちる力を持たない角質が増加して、毛穴を詰まらせてしまいがち。
毛穴の詰まりを放置すると角栓が雪だるま式に膨らみ、巨大化してしまいます。巨大化した角栓は毛穴の壁にこびりつき、簡単には落ちません。
反対にターンオーバーが必要以上に遅いと、角栓が排出されません。結果として毛穴の詰まりがひどくなり、ザラザラやポツポツが目立ってきます。
角栓が増える原因4個
角栓が増える根本的な原因は、過剰に分泌された皮脂とターンオーバー周期の乱れです。皮脂の過剰分泌やターンオーバー周期の乱れは、以下のことが原因で起こります。
1. クレンジングや洗顔の誤り
クレンジングと洗顔の「落とすケア」は肌を健やかに維持するための基本です。メイクしたまま就寝したりぬるま湯のみで洗顔したりしていると顔の汚れをきれいに落とせず、角栓が悪化します。
反対に頻繁な洗顔やゴシゴシこするクレンジングなど「落とすケアのやり過ぎ」も過剰な皮脂を分泌させて、角栓を悪化させる原因です。角栓ができている状態で落とすケアをやり過ぎると摩擦刺激によってメラニンが生成されて、毛穴ジミ(毛穴の周囲が黒ずむ症状)ができてしまうこともあります。
2. 肌の乾燥
肌が乾燥していると過剰な皮脂を分泌し、水分や保湿成分の蒸散を防止しようとする反応が起こります。過剰な皮脂が分泌されることでベタつきを感じることもありますが、肌の内部は水分が不足している状態。「ベタつきを抑えるため」と保湿ケアを怠ると、余計に症状は悪化します。
3. 紫外線刺激の蓄積
頻繁に紫外線刺激を受けると肌のバリア機能が低下して、過剰な皮脂が分泌されます。バリア機能が低下した肌は外部刺激を受けやすく、誤ったスキンケアの影響が顕著に出ることも、角栓を悪化させる原因の1つです。紫外線刺激によってコラーゲンやエラスチンが破壊されれば肌のハリが失われて、たるみ毛穴を引き起こします。
4. 生活習慣の乱れ
肌のターンオーバーを助ける「成長ホルモン」は、睡眠中に多く分泌されます。夜更かしする日が続いたり起床時間がバラバラだったりして、睡眠の質が低下すると、成長ホルモンの分泌が滞りがち。
結果としてターンオーバー周期が乱れて、角栓が悪化します。その他、以下のような生活習慣も、皮脂の過剰分泌やターンオーバー周期の乱れを招く原因です。
・栄養バランスの偏り
・運動不足
・過剰なストレス
・無理なダイエット
・喫煙習慣
過剰なストレスや運動不足は、ホルモンバランスを乱れさせる原因です。ホルモンバランスが乱れると過剰な皮脂が分泌されやすく、角栓も悪化します。
マスクで角栓が増える原因
マスクを着用しているときには顔の表面が高温・多湿状態になり、過剰な皮脂が分泌されます。その結果、毛穴は大きく開き、角栓が増えてしまいがちです。
顔の表面が高温・多湿状態になると肌が潤っているように感じる人も多いのですが、実際には反対。水分が蒸散する際には肌の潤いも取り去り、乾燥が悪化します。乾燥を感じた肌が分泌する過剰な皮脂も、角栓を増やす原因の1つです。さらに、マスクの繊維による摩擦刺激は、バリア機能を低下させます。
高温・多湿状態でふやけた肌はとくに摩擦刺激を受けやすく、バリア機能が低下しやすい状態。サイズの合わないマスクを着用したり汗を放置したりすることで肌を過酷な状況に追いやれば、角栓の増えるリスクが高まります。
洗って何度も使用できるタイプのマスクを着用する際には、繊維に残った洗剤にも注意しましょう。洗剤の成分によっては肌に大きな負担をかけて、角栓を悪化させることがあります。
毛穴を綺麗にする対策7個
毛穴を綺麗にするためには、スキンケア習慣や生活習慣の見直しが必要です。具体的には以下のような対策をとることで、滑らかな肌を作りましょう。
1. かいた汗はこまめに拭き取る
かいた汗を放置すると肌が水分を吸収してふやけ、皮脂腺を圧迫することで、毛穴が詰まりやすくなってしまいます。かいた汗は放置しないで、こまめに拭き取る習慣をつけましょう。
汗を拭き取る際には、タオルやガーゼハンカチなどを優しく顔にあてて、摩擦刺激を最小限に抑えることが大切です。汗を吸収したタオルやガーゼハンカチは雑菌が繁殖しやすい状態ですので、長時間外出する日は何枚かを持ち歩きましょう。
アルコールを含むウェットティッシュで汗を拭き取る方法は肌に負担をかけやすく、適切とは言えません。身体用の汗拭きシートを顔に使用することも、同様の理由から避けましょう。
2. 毛穴の悩みに合うクレンジングを活用する
毛穴の悩みには、角栓が詰まっている「詰まり毛穴」・毛穴が大きく広がった「開き毛穴」・肌のハリ低下によって起こる「たるみ毛穴」などの種類があります。メイクを落とす際には毛穴の悩みに合う、クレンジングを活用しましょう。毛穴の悩みとクレンジングの選び方の対応は、以下の通りです。
◯詰まり毛穴
詰まり毛穴にはクレンジングオイルなど汚れを落とす力の強い種類がおすすめ。特に角栓が気になるときにはクレンジング前にホットタオルでパックし、毛穴を大きく開かせてからメイクを落とすと、詰まった汚れがきれいに落ちます。
◯開き毛穴
開き毛穴にはクレンジングクリームなど汚れを落とす力が適度で、肌に必要な皮脂まで取り去らない種類がおすすめ。保湿成分が配合されているクレンジングを選択すると肌の乾燥を予防しつつ、メイク汚れを落とせます。
◯たるみ毛穴
たるみ毛穴にはクレンジングミルクやクレンジングクリームなど、肌に負担をかけにくい種類がおすすめ。肌のハリ低下がひどく気になる人は、エイジングケアに特化した商品を活用してもよいでしょう。
3. 洗顔方法を見直す
毛穴を綺麗にするためにはよく泡立てた洗顔料を使用して、優しく洗顔する方法がおすすめです。泡立てた洗顔料を最初に乗せるパーツは、TゾーンやUゾーン。
小鼻の凹凸部分は小さな円を描くようにクルクル指を動かすと、奥まった部分の汚れもきれいに落ちます。顔全体を洗顔した後は洗顔料や汚れが残らないように、体温よりも低い温度のぬるま湯でよくすすぎましょう。
4. 酵素洗顔料やクレイパックで集中ケアする
毛穴の壁にこびりついた角栓は、日々の洗顔のみでは取り除けません。角栓が特に気になるときは酵素洗顔料やクレイパックで、集中ケアを行いましょう。
酵素洗顔料には、タンパク質や皮脂を分解する成分が入っています。酵素洗顔料を使用すると塊化した角栓を細かくほぐし、落としやすい状態に変えてから取り除くことが可能です。
クレイパックには、ガスール・クチャ・モンモリロナイトなどの天然泥成分が入っています。入っている天然泥成分によって期待される効果が異なりますから、毛穴や肌の悩みに合うものを選択しましょう。
◯ガスール
モロッコで古くから石鹸のように使用されてきた成分。吸着力と保湿力のバランスがよく、乾燥している肌に潤いを与えつつ、角栓を取り除けます。
◯クチャ
沖縄の海底から採取される成分。粒子が非常に小さく、毛穴の奥に詰まった汚れも取り除けます。
◯モンモリロナイト
クレイの中でもミネラル成分が非常に多く、優れた吸収力を持つ成分。抗菌作用や抗炎症作用も期待されて、医療分野でも活用されるほどの信頼があります。
◯カオリン
使用感がマイルドで、肌の乾燥が気になるときにも使用しやすい成分。ベビーパウダーとして使用されることもあるほど肌に負担をかけにくく、クレイ初心者も安心して使用できます。
5. 保湿ケアを怠らない
酵素洗顔料やクレイパックで角栓を取り除いた後は、十分に保湿しましょう。化粧水や乳液・クリームで水分・油分のバランスを整えて、バリア機能を強化することが、毛穴を綺麗にするコツです。
保湿ケアを行うとベタつきが気になる場合は、使用するケア商品を工夫します。軽い質感の乳液・クリームを選択すると比較的ベタつきが気になりにくく、お手入れする際のストレスを和らげることが可能です。
6. 角質ケア美容液を活用する
古い角質が滞留して肌が厚くなっていると、化粧水や乳液・クリームが入っていかないこともあります。肌のごわつきを感じるときには保湿ケアの前に、角質ケア美容液を活用しましょう。
角質ケア美容液とは、サリチル酸・乳酸などの角質ケア成分が含まれている美容液です。保湿の前に角質ケア美容液を活用するとごわつく肌が柔らかくほぐされて、化粧水などの入りをよくすることができます。
角質ケア美容液を活用する際のコツは、商品に指定されている量を最低限度と考えて、たっぷりとなじませること。なじませる量が少ないと、十分な効果を期待できないことがあります。
毎日のスキンケアの手順を増やすことは避けたいと考える人には集中ケア用の角質ケアマスクを、週に1回程度活用する方法がおすすめです。角質ケアマスクを活用する場合は、酵素洗顔料やクレイパックによるお手入れを控えましょう。
7. 食生活を改善する
角栓を増やさないためには、食生活の改善も欠かせません。脂質や糖質の多い食べ物は極力控えて、和食中心の食生活へと切り替えましょう。
和食をおすすめする理由は、毛穴を綺麗にするために必要な栄養素を自然と摂取できるためです。たとえば和食の定番食材「豆腐」は肌の原料になるタンパク質に加えて、女性ホルモンと似た働きを担うイソフラボンが含まれています。
おひたし・煮物・味噌汁などを副菜に加えると、ビタミン豊富な野菜を効率的に摂取することが可能です。鮭やマグロを主菜にすれば、過剰な皮脂分泌を抑える「ビタミンB2」を効率的に摂取できます。
毛穴ケアのNG行為3個
マスクを着用しているときの角栓は、誤った毛穴ケアを行うことで悪化します。具体的には以下が、角栓を悪化させるリスクを伴うNG行為です。
1. 剥がすタイプの毛穴パックを頻繁に使用する
剥がすタイプの毛穴パックを頻繁に使用すると、バリア機能を維持するために必要な角質まで剥がしてしまうリスクがあります。マスクによってバリア機能の低下した肌はただでさえ、外部刺激を受けやすい敏感な状態です。
そこに頻繁な毛穴パックの刺激が加わると、バリア機能の低下がさらに進行。角栓がひどく増えて、目立つ状態になってしまうリスクがあります。
「毛穴パックをどうしても使いたい」という人には塗って洗い流すタイプなど、肌に負担をかけにくい種類がおすすめです。もしくは、毛穴パックの使用を控えて、酵素洗顔料やクレイパックを試してください。
2. 角栓を無理に押し出す・引き抜く
角栓を指で押し出すと、爪の間に付着している雑菌が毛穴の中に入り込み、炎症を引き起こすリスクがあります。ピンセットで角栓を引き抜くお手入れにしても、同様です。毛穴周囲の肌に負担をかけると余計に皮脂が分泌されたり、角質が厚くなったりするリスクがあります。
そもそも角栓は、ターンオーバーが正常に行われれば、自然に排出されるもの。即効性のある対策には頼らず、正しいスキンケア習慣に切り替えてターンオーバーを正常化することが、毛穴を綺麗にするコツです。
3. スクラブ洗顔料や洗顔ブラシを使用する
スクラブ洗顔料や洗顔ブラシも使い方を誤ると、肌に負担をかけやすいケア商品です。毛穴を綺麗にするためには、肌に優しいケア商品へと切り替えましょう。
スクラブ洗顔料や洗顔ブラシを使用して毛穴が綺麗になったかのように感じても、長続きしません。長期的に見ると毛穴の開きや角栓が悪化して、逆効果になるリスクがありますので、注意しましょう。
まとめ
マスク生活中は内部の蒸れや摩擦刺激によって、角栓が増えることもあります。毛穴を綺麗にするためにはかいた汗をこまめに拭き取るとともに、正しいクレンジング・洗顔によって汚れをきれいに落とすことが大切です。汚れを落とした後は十分な保湿ケアを行って、水分・油分のバランスを整えましょう。