ニキビ跡のクレーターの種類と自力で治す方法は?

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ニキビが治った後にできるクレーターには、いくつかの種類があります。そして、クレーターは種類によって治療法が異なりますので、正しい知識を持つことが大切です。

この記事では、ニキビ跡ができる原因とクレーターの種類について解説します。ニキビ跡の治療法や予防対策も正しく把握し、滑らかな肌を手に入れたい人はぜひ参考にしてください。

目次

ニキビ跡ができる原因

まず、ニキビ跡ができる原因をおさらいしましょう。ニキビ跡とは、アクネ菌の炎症によってトラブル周辺の肌がダメージを受け、できてしまうトラブルです。ニキビ跡には赤みが残るのみの軽微なタイプもあれば、クレーターができてしまうほど重症なタイプもあります。

ニキビの初期段階は、過剰な皮脂や古い角質が毛穴に詰まり、ポツポツ見える「白ニキビ」です。白ニキビを放置すると毛穴に詰まったものの表面が酸化して黒く変色した「黒ニキビ」になってしまいます。

白ニキビや黒ニキビを放置し、肌の深い部分まで炎症の広がった状態が「赤ニキビ」です。赤ニキビを放置すると炎症部分が化膿して、表面が盛り上がる「黄ニキビ」になってしまいます。

赤ニキビや黄ニキビはニキビ跡を残すリスクが高いトラブルですので、適切な対処を取り、きれいに治すことが大切です。

ニキビ跡のタイプ4個

ひとくくりに「ニキビ跡」といっても、複数のタイプがあります。ニキビ跡の代表的なタイプと特徴は、以下の通りです。

1. 赤みタイプ

赤みタイプは、ニキビ自体は治ったものの、赤みのみが残ってしまったトラブルです。アクネ菌の炎症によってダメージを受けた肌では、毛細血管が作られます。

赤みタイプは、作られた毛細血管によってうっ血し、発生するニキビ跡です。赤みタイプは一時的なトラブルであるケースが多く、通常は徐々に目立たなくなっていきますが、炎症が強いと残ってしまう場合もあります。

2. 色素沈着(茶)タイプ

色素沈着(茶)タイプは、ニキビのあった場所に茶色いシミのようなニキビ跡が残ってしまうトラブルです。シミのようなニキビ跡は、炎症から肌を守るために生成されたメラニンが色素沈着することで起こります。

メラニンは通常、ターンオーバー周期に沿って排出されます。しかし、ターンオーバー周期が乱れた肌ではメラニンの排出がスムーズに進みません。結果として肌内部にメラニンが残ってしまい、色素沈着を起こすのです。

3. 色素沈着(紫)タイプ

色素沈着(紫)タイプは、ニキビのあった場所に紫や赤黒い色のニキビ跡が残ってしまうトラブルです。紫や赤黒い色のニキビ跡は炎症が真皮層にまで達し、毛細血管が破壊されることで出血。周囲の組織に染み込んだ血液に含まれるヘモグロビンが酸素を失い、赤みのみが消えたときに発生すると言われます。

4. クレータータイプ

クレータータイプは、黄ニキビがさらに悪化した状態から治った後、クレーター状の凹凸が残ってしまうトラブルです。黄ニキビの炎症がひどくなると白血球の働きによって、肌の深い部分にある「真皮層」が破壊されます。

ターンオーバー周期の乱れた肌では破壊された真皮層をすぐに修復することが難しく、クレータータイプのニキビ跡ができるのです。

ニキビ跡のクレーターの種類3個

クレータータイプのニキビ跡は状態によって、アイスピック型・ローリング型・ボックスカー型に分類できます。

1. アイスピック型

アイスピック型は直径が2mm以下と小さく、細かい穴のように見えるクレーターです。アイスピック型は直径が小さい反面、深さは深く、真皮層よりも深い部分にある「皮下組織」まで達します。

アイスピック型は比較的、治療難易度が高い種類のクレーターです。医療機関では一般的にアイスピック型に対し、レーザー治療をまず行います。レーザー治療で十分な効果が見られない場合には医師の判断を再度仰ぎましょう。

2. ローリング型

ローリング型は直径が4〜5mm以上と比較的大きいクレーターです。ローリング型はニキビの炎症で真皮層から皮下組織までが瘢痕(はんこん、傷跡のこと)組織に置き換わり、下方向に引っ張られることによって起こると言われます。

ローリング型にもボックスカー型同様、深いローリング型・浅いローリング型の両方があり、深さ次第で対処方法は異なることが通常です。

3. ボックスカー型

ボックスカー型は底部分が平坦で、「凹」の字のように見えるクレーターを意味します。ボックスカー型は、クレータータイプのニキビ跡の中でも比較的よく見られるトラブルです。

ボックス型には、クレーターの深さが深いボックスカー型・浅いボックスカー型の両方があります。クレーターの深さによって治療難易度や対処方法が変わりますから、医療機関で相談し、適切な対処を受けましょう。

ニキビ跡は自力で治せる?

赤みタイプや色素沈着タイプのニキビ跡は、自力で治せる可能性があります。クレータータイプのニキビ跡を自力で治すことは難しく、医療機関への相談がおすすめです。

ただし、医療機関で治療するにせよ、自宅におけるセルフケアも併行して進めると、ニキビ跡の治りが早くなることはあります。医療機関で治療している最中は医師のアドバイスに従うとともに、以下のことを意識しましょう。

・十分な保湿で、肌の乾燥を防止する
・バランスのよい食事を取る
・十分な睡眠時間を確保する

医療機関で自宅におけるセルフケア方法や日常生活の注意点を聞いておくと、不安なく治療を進められます。医療機関で聞いたアドバイスをきちんと守ることが、ニキビ跡を極力早く、きれいに治すためのコツです。

ニキビ跡の治療方法3個

赤みタイプや色素沈着タイプのニキビ跡は、状態に応じた化粧水を使用することで、きれいに治せるケースがあります。合わせて、市販薬やサプリメントを活用し、内側からの対策を行いましょう。セルフケアでは治らないニキビ跡は医療機関で治療し、早期解決を目指してください。

以下では、自宅や医療機関で行うニキビ跡の治療方法をより詳しく解説します。

1. ニキビ跡に適した化粧水を使用する

赤みタイプのニキビ跡

赤みタイプのニキビ跡は、抗炎症成分を配合している化粧水を使用すると、きれいに治せることがあります。具体的には、アラントイン・グリチルリチン酸などを配合している化粧水を、毎日のスキンケアで使用しましょう。

◯アラントイン
アラントインは、牛の羊膜から発見された成分です。しもやけ・あかぎれ用の医薬品に配合されることもあるほど肌細胞を修復する作用が強く、ニキビ跡のできた肌を元通りの状態に戻す働きが期待されます。

◯グリチルリチン酸
グリチルリチン酸は、「甘草」という植物から抽出される成分です。グリチルリチン酸は強い抗炎症作用を持つ成分ですので、かぜ薬やトローチなどに配合されることもあります。

色素沈着タイプのニキビ跡

色素沈着タイプのニキビ跡には、美白成分配合の化粧水を使用しましょう。たとえば、トラネキサム酸・ビタミンC誘導体などを配合している化粧水には、色素沈着している肌をもとに戻す働きが期待されます。

◯トラネキサム酸
トラネキサム酸は美白効果が認められている、人工的に生成されたアミノ酸の一種です。トラネキサム酸にはメラニンを生成する細胞の活性化を防止し、色素沈着の改善を助ける働きが期待されます。

◯ビタミンC誘導体
ビタミンC誘導体はメラニンの還元作用を持ち、ニキビ跡を薄くする働きが期待されます。また、ビタミンC誘導体はコラーゲンの生成を助けてくれる成分ですから、クレータータイプのニキビ跡が気になる人にもおすすめです。

2. 市販薬やサプリメントを活用する

ニキビ跡を治すためには、ビタミンB2、B6・ビタミンCを意識的に取ることが推奨されます。ビタミンB2、B6・ビタミンCを食事から十分に取ることが難しい場合は市販薬やサプリメントを活用し、不足分を補いましょう。

◯ビタミンB2
ビタミンB2は、鶏肉・豚肉・レバーなどに多く含まれる栄養素です。ターンオーバーを促進するとともに過剰な皮脂をコントロールし、ニキビ跡を薄くする働きが期待されます。

◯ビタミンB6
ビタミンB6は、鶏肉・赤身肉・マグロなどに多く含まれる栄養素です。アミノ酸の代謝を助ける補酵素として働き、肌の抵抗力を高めてくれる効果が期待されます。

◯ビタミンC
ビタミンCは、ピーマン・アセロラ・ブロッコリーなどに多く含まれる栄養素です。皮脂の分泌量をコントロールしたり炎症を抑制したりすることでニキビができにくい、滑らかな肌を作る効果が期待されます。

3. 医療機関で治療する

医療機関で行うニキビ跡治療にはさまざまな種類があり、トラブルの状態や医師の判断により、治療の進め方が異なります。カウンセリングを受ける際に医師とよく相談し、納得した方法でニキビ跡治療を進めましょう。以下は、医療機関で受けられる代表的なニキビ跡治療法と特徴を示します。

◯外用薬、内服薬
赤みタイプや色素沈着タイプに検討される治療法です。保湿・抗炎症作用を持つ外用薬、内服薬などを用いて、ニキビ跡の解消を図ります。

◯ケミカルピーリング
グリコール酸やサリチル酸などの薬剤を肌に塗り、ターンオーバーを促進する治療法です。ケミカルピーリングにはターンオーバーを正常化させる働きも期待されて、ニキビの再発予防やくすみ・ごわつきの改善にも役立ちます。

◯レーザー・光治療
ニキビ跡にレーザーや光を照射し、細胞を刺激することによって、赤みや色素沈着を取り除く治療法です。レーザー・光治療は重度のニキビ跡にも一定の効果が期待される反面、治療費用がかさむことも多くあります。また、1回の治療では目に見えた変化を感じにくく、複数回の通院が必要です。

◯イオン導入
専用機器を使用し、ビタミンCなどの美容成分を肌内部に届ける治療法です。イオン導入はケミカルピーリングなどほかの治療法と同じ日に実施できますので、短期間で目に見えた効果を狙えます。

ニキビ跡が治るまでの期間は状態などに応じて異なりますが、最短でも3か月は必要です。カウンセリングを受ける際に治療の進め方をよく相談し、無理のない通院スケジュールを立ててください。

ニキビ跡の予防対策4個

ニキビ跡ができてしまうと治すまでに、長い期間を要することが多くあります。ニキビのうちから予防対策を徹底し、ニキビ跡ができないように注意しましょう。ニキビ跡の主な予防対策は、以下4個です。

1. ニキビを極力いじらない

「ニキビを潰したほうが早く治る」と言われることもありますが、自分自身でニキビを潰すと周囲の肌を傷つけて、治りを遅くするリスクが高いと言えます。ニキビを潰す際に細菌が侵入し、炎症を悪化させるケースもありますから、自分自身で潰す対処はやめましょう。

2. 洗顔で洗いすぎない

「ニキビのできた部分を清潔に維持するため」と念入りに洗顔することも、ニキビ跡を引き起こします。ゴシゴシこする際に摩擦刺激が加わるとより多くのメラニンが作られて、色素沈着タイプのニキビ跡を引き起こすことがあるためです。

ニキビ跡を予防するためには朝・夜2回の泡洗顔を正しく行う、洗いすぎない洗顔をおすすめします。すすぎには体温よりも低い温度のぬるま湯を使用し、ニキビのできている部分をいたわるように流しましょう。

3. 紫外線対策を徹底する

紫外線刺激も、ニキビの炎症を悪化させる原因です。ニキビができているときこそ十分な紫外線対策を行い、炎症の悪化を防止しましょう。紫外線対策の基本は、毎日日焼け止めを使うことです。汗をかいたときにはこまめに日焼け止めを塗り直し、「うっかり日焼け」を防止しましょう。

特に紫外線の強い時期にはUVカットカーディガンやサングラスなども併用し、目を含む全身を守ります。買い物など時間帯を変更できる用事は、紫外線の弱い朝方や夕方に済ませることがおすすめです。

4. 帰宅後すぐにメイクを落とす

帰宅後にはすぐメイクを落とし、肌の負担を軽減しましょう。使用するクレンジングは極力こすらず、優しくメイクを落とせるものを選択します。メーカー指定の量のクレンジングを手に取って優しくメイクとなじませ、きれいに汚れを落としてください。

クレンジングが肌に残ると肌荒れを招くケースがありますから、体温よりも低い温度のぬるま湯で十分にすすぎます。クレンジング後は忘れずに洗顔料で洗顔し、メイク以外の汚れを落としましょう。

まとめ

ニキビ跡には、赤みタイプ・色素沈着タイプ・クレータータイプなどの種類があります。クレータータイプにはアイスピック型・ボックスカー型などの種類があり、治療の進め方はさまざまです。

ニキビ跡ができてしまったときには、化粧水や市販薬・サプリメントで対処しましょう。セルフケアで治らないニキビ跡は医療機関に相談し、適切な方法で、きれいに治す選択肢がおすすめです。

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