黄ニキビはニキビの炎症が進行し、悪化した状態です。出来てしまった場合は、黄ニキビの特徴を理解した正しいスキンケアを行う必要があります。
今回は黄ニキビはどんな状態なのか、どんなケアが必要なのかを紹介します。黄ニキビに悩む方はぜひ参考にしてください。
黄ニキビとは?
黄ニキビとはニキビの中でもかなり悪化したものと考えられています。ニキビができる過程を追いながら、黄ニキビについて解説しましょう。
ニキビとは毛穴がつまることから始まります。毛穴づまりは古くなった角質や余分な皮脂が絡まり合って、毛穴を塞いで固まってしまったものです。
毛穴の中から分泌されている皮脂が外に出られず、汚れの栓はどんどん大きくなってしまいます。毛穴が盛り上がり、小さなポツポツができた状態は「黒ニキビ」や「白ニキビ」と呼ばれる段階です。
毛穴の中や周辺で古い分泌物がたまることで、細菌が増殖することで炎症が起こり、ニキビが完成します。炎症が起きて赤くなった状態は「赤ニキビ」と呼ばれる状態です。
そして炎症がひどく、長く続くと「黄ニキビ」に進行していきます。黄ニキビは炎症を鎮めるために戦った白血球が毛穴の中で膿となってたまった状態です。ぷっくりと膨らみ、毛穴周りの肌細胞に大きなダメージになってしまいます。
黄ニキビができる原因5個
1. 皮脂の過剰分泌
黄ニキビは毛穴の中の炎症がひどくなることで発症します。皮脂はニキビの原因になる毛穴づまりにも、炎症の原因にも関わっているため、うまくコントロールできていないと黄ニキビの原因になりやすいのです。
皮脂が過剰に分泌されていると、毛穴付近で角質と絡みやすく、毛穴を塞ぐ角栓を作ってしまいます。また毛穴が大きく開きやすくなることがわかっており、角質だけでなく、汚れやホコリも毛穴に落ちやすくなるでしょう。
そして毛穴が詰まると、毛穴の中の皮脂が出ていきにくい状態になります。皮脂は毛穴の中から分泌されているので、多ければ多いほど詰まりやすく、また毛穴づまりも頑固になってしまいます。
2. 角質ケア不足
ニキビを生み出す毛穴づまりは、不要な角質も原因になっています。ターンオーバーによって自然に剥がれ落ちるはずの角質ですが、肌のコンディションや普段過ごしている場所の環境、スキンケア不足などが原因でうまく剥がれ落ちないことがあります。
剥がれるべき角質が肌に残ったままになっていると、角質層は内側から生まれる新しい肌細胞がどんどん積み重なって厚くなります。角質層が厚くなると毛穴の出口付近が狭くなって、毛穴が詰まりやすくなるでしょう。また毛穴周りの角質に異常が起こり、毛穴づまりや炎症につながってしまうのです。
3. クレンジング洗顔不足
クレンジングや洗顔不足によって、顔には汚れが蓄積しやすくなります。また、行っていても間違った方法であれば、肌に負担がかかり、余計に黄ニキビができやすい環境になってしまうこともあるのです。
毛穴づまりを防ぐためには、日々の汚れをしっかりリセットしなくてはいけません。基本的にはクレンジングと洗顔、両方行うことで日中の汚れを落とす必要があります。それぞれの役割をきちんと理解し、正しい方法で行うことが、本当に効果的なクレンジング洗顔をするために必要になります。
4. ニキビの触りすぎ
黄ニキビは、発生するまでにいくつかの段階をふんでいます。白ニキビや黒ニキビにはじまり、赤ニキビになってから黄ニキビになるのです。ニキビが悪化しなければ黄ニキビにはならないのですが、ニキビが出来た段階で適切な処置ができていないと黄ニキビになる可能性が高くなってしまいます。
よくやってしまう間違った処置がニキビを指先で触ってしまうことです。ニキビは一度見つけると気になりますし、どうしても触ってしまうという方は多いでしょう。しかし、ニキビは炎症と肌が戦っている状態なのでむやみに触る必要はありません。
むしろ指先には雑菌がついていることがほとんどですし、潰れてしまっては治るまでにより長い時間がかかってしまうこともあります。黄ニキビを防ぐためには、出来てしまったニキビを触らないということも、とても大切です。
5. 生活習慣の乱れ
生活習慣が乱れていると、ニキビができやすくなるだけでなく、炎症をうまくおさえられずに悪化しやすくなります。肌のコンディションが崩れ、免疫機能が落ちてしまうからです。
肌はホルモンの影響を受けながら繊細なバランスを保つことで、正常な状態を維持しています。偏った食生活や極端な睡眠時間、また過度のストレスを受けているとすぐにバランスを崩してしまうのです。
水分と皮脂のバランスを整え、炎症を抑える免疫機能を保つためには、健やかな生活習慣が必要不可欠です。
黄ニキビが大量発生する理由
黄ニキビは突然発生するのではなく、赤ニキビから進行して出来てしまいます。ですから黄ニキビが大量に発生しているということは、赤ニキビが多く発生しているということになります。
ニキビは毛穴がつまってできてしまうため、まずは毛穴づまりが頻繁に起こっていることが考えられます。
また、赤ニキビ、黄ニキビに進行するということは炎症が起こりやすい肌状態であると考えられます。乾燥していると肌のバリア機能が低下してしまいます。肌のコンディションを保つためには、毎日の保湿が大切です。そして洗浄不足は細菌が繁殖を招きます。免疫力も低下するので、クレンジングや洗顔は丁寧に行う必要があります。
肌のバランスが崩れてしまっている事があるので、毎日のスキンケアを行うなどして根本からの改善が必要になります。
黄ニキビが繰り返す理由
黄ニキビが一度治っても、またすぐに繰り返してしまう原因は黄ニキビによって、毛穴の中に大きなダメージを受けているからと考えられます。
黄ニキビは毛穴の中でひどい炎症が起きている状態です。黄ニキビが出来ている毛穴の中では、肌細胞が著しく破壊されて、毛穴の中に傷跡のようなものが多く残ってしまう場合があります。
毛穴の中に空間ができてしまうと、皮脂や汚れが溜まりやすくなるため、ニキビが再発し、また炎症ができやすい状態になってしまいます。
もう一つ考えられる原因は、黄ニキビになりやすい要因を取り除けていないということです。季節によって揺らぐ肌を放置していたり、ニキビの原因になっている生活習慣に変化がないままにしていたりすると、何度も何度も繰り返してしまう、ということになりかねません。
過度にストレスになっていることや、睡眠不足のように肌に負担になることが習慣になっていないか、見直してみることが必要かもしれません。
黄ニキビの治し方
まずは触らないことが大切です。黄ニキビは目立ち、かゆみが出ることがあるので、つい指先で触ってしまうことがあるかもしれません。
しかし、黄ニキビの中では免疫機能が炎症に対抗している状態です。潰したり傷つけたりしてしまうと、炎症をうまく治すことが出来ず悪化してしまうこともあります。触りたくなってもグッと我慢しましょう。
そして黄ニキビができたときは、スキンケアを丁寧に行い、ニキビの周辺や肌を清潔に保ちます。日焼け止めを塗ったり、メイクをした日はクレンジングでしっかり余分な油分を洗い流し、洗顔もセットで行いましょう。
肌をキレイに洗浄した後は、油分控えめのスキンケアアイテムで保湿をします。乾燥するとバリア機能が低下し、皮脂と水分のバランスが崩れてしまいます。皮脂の過剰分泌や、繰り返すニキビ、ニキビ跡の原因にもなるので保湿は必ず行いましょう。
肌への刺激が少なく、ニキビになりにくいことが実証されているノンコメドジェニック処方のスキンケアアイテムがおすすめです。
長引く場合や、痛みがひどい場合は皮膚科で受診するようにしてください。正しいケアで炎症がさらに悪化しないように注意しましょう。
黄ニキビのスキンケア方法4個
黄ニキビが出来たときは正しいスキンケアを行い、肌が炎症をおさめる働きのサポートをしなければいけません。炎症をひどくしないためのスキンケアの方法について、具体的に見ていきましょう。
1. クレンジング
メイクをした日はもちろん、日焼け止めだけという日でもクレンジングは行うようにしましょう。
クレンジングには以下にあげるような2つの役割があります。
(1)メイクや古くなった皮脂などオイル系の汚れを落とす
(2)肌に馴染んで不要な角質を浮かせる
ほとんどのクレンジングはオイル成分を豊富に含んでおり、メイクや古くなった皮脂などオイル系の汚れを落とします。オイル成分は油汚れに馴染みやすく、メイクを落とすためには必要な成分です。
また肌を保護するために常に分泌されている皮脂をきちんと洗い流すことで、肌の上で酸化することを防ぎ、肌へのストレスを減らすことが出来ます。
またオイル成分が多いために肌に馴染んで不要な角質を浮かせることもできます。角質層は主に「角質細胞」とその間を埋める「細胞間脂質」で構成されています。
オイル成分を含んだクレンジング剤は肌にもともと存在している「細胞間脂質」に馴染みやすく、一番表面の不要な角質を浮かしてくれます。クレンジング剤によって浮かせた角質は洗い流しやすい状態になっており、毎日の角質ケアにもなります。
この2つの働きを引き出すために、正しくクレンジングを行う必要があります。適量を手に取り、肌表面を撫でるようにしながら汚れを吸着させましょう。1分を目安に顔の上をくるくるとマッサージしたら、ぬるま湯でしっかり洗い流し、洗顔を行います。
2. 丁寧な洗顔
黄ニキビ対策において、一番大切なスキンケアが洗顔です。肌を清潔に保ち、ニキビの悪化、再発を防ぎます。
洗顔の役割は古くなった角質や汗、タンパク汚れを洗い流すことです。生きていると当たり前に出てくる汚れを落とすために、洗顔料で顔を丁寧に洗う必要があります。
洗顔は1日1回、多くても2回を目安に行います。洗い過ぎは必要な皮脂や水分まで洗い流してしまい、逆に肌への大きな負担になるので気をつけましょう。
顔を洗うときはできるだけたっぷりの泡を使い、肌を擦らないことがおすすめです。ゴシゴシと洗ってしまうと、まだ肌に必要な角質までけずってしまい、乾燥肌を招いたり、毛穴づまりの原因になったりします。
泡立つ洗顔料は泡を動かすことによって泡の間に汚れを閉じ込めるというものです。洗顔をするときは、泡を肌の上で動かすという意識で行ってみましょう。
また効果的に顔をきれいに洗うためにはすすぎも肝心です。クレンジングの後に行う洗顔は、汚れだけでなく、すすぎ残したクレンジング剤も洗い流すことが出来ます。じつは水を混ざりにくいクレンジングは洗い残ってしまっていることも多いのです。
残ったクレンジングも吸着して洗い流すためにも、熱すぎないぬるま湯で小鼻などの細かいところから生え際まで、しっかり何度もすすぎます。ぬるぬるとした感触がなくなった後も、3〜5回を目安に洗い流すことを意識するといいでしょう。
3. 化粧水はたっぷり
肌の保湿のために、洗顔後の化粧水はたっぷり塗ります。肌が水分不足の状態になると、バリア機能が低下してしまいますし、ニキビ再発の原因にもなります。
使うアイテムは抗炎症作用のある化粧水がおすすめです。ニキビの炎症を抑える肌の働きを助けて、黄ニキビをより早く治すことが出来ます。
化粧水を塗るときはニキビを引っ掛けることがないように、擦らずに優しく押し当てるように塗ります。コットンで塗ると繊維がのこってしまう可能性があるので、清潔な指先や手のひらで塗りましょう。
4. クリームや乳液は薄く
油分が多すぎると、炎症を起こす細菌のエサになってしまう場合があるので、乳液やクリームは薄めに塗りましょう。
油分がダメなら塗らないほうがいいのではないか、と思われるかもしれません。しかし、乳液やクリームは保湿のために必要です。角質層の細胞間脂質に馴染み、水分を肌に留める力をサポートしてくれます。
乾燥は角質肥厚や皮脂の過剰分泌、バリア機能の低下につながってしまうので予防しなければなりません。化粧水とクリーム・乳液をセットに使って、しっかり保湿しましょう。
まとめ
黄ニキビの特徴と、出来てしまったときのケア方法を紹介しました。
黄ニキビを一刻も早く治すためには、できるだけ刺激を与えず、正しいスキンケアを行うことが大切です。気になってしまうかもしれませんが、肌が炎症と戦っている最中なので、免疫機能に任せて治るのを待つことが大切です。
肌へのストレスが少ない正しいスキンケアを行い、繰り返すことがないように黄ニキビをケアするようにしましょう。