また、クレーター肌には様々な種類があり、改善の難易度が異なります。ここでは、クレーター肌の原因から治し方、改善方法まで詳しく解説します。
クレーターで肌が凸凹になる原因4個
クレーター肌で凹凸ができてしまう原因は、次の4つです。
1. ニキビの炎症が強くなる
ニキビの炎症が強くなると、肌の奥にある真皮層が破壊されます。真皮層には、肌の弾力を保つコラーゲンやエラスチンがあり、ニキビの炎症の影響で減少するのです。その結果、破壊された真皮層と破壊されていない部分の差が凸凹として現れます。
ニキビは、毛穴に古い角質と皮脂が詰まった白ニキビから始まり、そこにアクネ菌が増殖して炎症が起こると赤ニキビになります。赤ニキビは、早く改善できればクレーター肌を引き起こしませんが、不潔な手で触ったり正しくケアしなかったりすると、炎症が強くなり凸凹なクレーター肌につながるのです。
できるだけ白ニキビの段階からケアを始めましょう。
2. 古い角質が溜まっている
古い角質が溜まると、溜まっていないところとの差で凸凹な肌になります。角質は、肌のターンオーバーという仕組みで自然に剥がれ落ちるため、通常であれば古い角質が溜まることはありません。しかし、生活習慣の乱れ、間違ったスキンケア、加齢などの理由でターンオーバーが遅れると、古い角質が溜まってしまうのです。
古い角質が溜まると、クレーター肌だけではなく、くすみまで引き起こしてしまいます。少しだけ古い角質が溜まるだけでは、凸凹肌にはなりません。古い角質が溜まれば溜まるほどに凸凹肌になるため、肌がくすんでいるように感じた段階でケアすることが大切です。
3. 毛穴が開いている
毛穴が開いていると、閉じているところとの差でクレーター肌になります。毛穴が開く原因は次の3つです。
◯皮脂や古い角質が詰まっている
ストレスや生活習慣の乱れ、間違ったスキンケアなどの原因で皮脂が過剰に分泌されていると、古い角質と一緒に毛穴に詰まります。その結果、毛穴が押し広げられて、クレーター肌になります。
◯肌のたるみで毛穴が引っ張られている
コラーゲンやエラスチンは、加齢とともに減少します。そのため、40代や50代になると、肌がたるむようになります。重力に従って肌が垂れ下がると、毛穴が引っ張られることで広がり、クレーター肌が引き起こされます。
◯毛穴にメラニンが蓄積して目立つ
毛穴が刺激を受けてメラニンが蓄積すると、毛穴が目立つようになります。それが毛穴が開いているように見えている可能性もあるでしょう。
4. 頻繁に肌が炎症を起こしている
肌が頻繁に炎症を起こしていると、痕がたくさんあるクレーター肌になります。皮脂が過剰分泌されているために、雑菌が増殖して炎症が起こりやすかったり、乾燥で刺激を受けやすかったりすると、頻繁に炎症が起こるのです。
生活習慣の乱れ、間違った洗顔、紫外線対策不足などが要因のため、見直すことをおすすめします。
クレーター肌の治し方・改善方法3個[スキンケア]
クレーター肌は、次のスキンケアを習慣づけることで改善が期待できます。
1. 正しい洗顔
正しい洗顔は、肌のバリア機能を整えて刺激に強い肌をつくる役割があります。逆に、間違った洗顔は肌のバリア機能を低下させ、肌の炎症によるクレーター肌のリスクを高めるのです。次のような方法で正しく洗顔しましょう。
(1)ぬるま湯で丁寧に予洗いする
(2)洗顔料をしっかり泡立ててキメの細かい泡を作る
(3)おでこと鼻のTゾーンと頬から顎にかけてのUゾーンに泡を広げる
(4)目元と口元に軽く泡をつける
(5)すすぎ残さないように丁寧にすすぐ
(6)柔らかいタオルで顔に残った水滴を吸い取る
また、どれだけ肌のべたつきが気になっても、洗顔は1日2回までに留めましょう。それ以上は過剰な洗顔となり、肌の乾燥を招きます。乾燥すると肌のバリア機能が低下するため、クレーター肌のリスクが高まります。
2. 保湿ケア
肌の保湿ケアは、ニキビ予防やターンオーバーを整えることにつながります。肌にうるおいがあると、外的刺激に強くなるため、ニキビができても刺激されにくくなるのです。また、紫外線や空気の乾燥などの影響も受けにくくなるため、保湿ケアでしっかり水分と油分を補給することが大切です。
保湿ケアでは、最初に化粧水で水分を与え、続いて美容液で肌の悩みに合わせた美容成分を補給します。そして、水分の蒸発を抑えるために、乳液やクリームで油分を与えます。肌がベタついている脂性肌の方でも、乳液やクリームによる油分の補給は必要です。
ただ、油分が多いものはベタつきが気になるため、油分が少なめの乳液やクリームを使うといいでしょう。保湿ケアのタイミングは、洗顔後やメイク直しのときです。
3. 紫外線対策
紫外線は、毛穴のメラニンの蓄積や肌の乾燥、コラーゲンやエラスチンの減少を招くため、しっかり対策しなければなりません。日焼け止めクリームを塗る、日傘をさす、サングラスをかける、UVカットマスクをつけるなどして、紫外線を徹底的にシャットアウトしましょう。
また、日焼け止めクリームは、SPFとPAの値を見て、使用シーンに合ったものを選んでください。日常使いであれば、SPF30~40程度、PA++~+++程度が目安です。海やレジャー、マリンスポーツなどで強い日差しを受ける場合は、SPF50以上、PA++++以上のものを選びましょう。
ただし、日焼け止めクリームの性能に関係なく、こまめに塗りなおすことが大切です。日焼け止めクリームは汗で簡単に流れるため、気づかないうちに紫外線を防げなくなっている場合があります。
クレーター肌の治し方・改善方法5個[化粧品]
クレーター肌は、化粧品をうまく使うことで改善が期待できます。具体的な方法を詳しくみていきましょう。
1. ピーリングでターンオーバーを整える
クレーター肌は、古い角質やバリア機能の低下が要因のため、ピーリングで肌のターンオーバーを整えることで改善が期待できます。
市販のピーリング剤は、比較的肌への負担が少ない成分が含まれており、古い角質をやさしく取り除きます。
使用後に肌の赤みが現れる場合は、使用を控えるなど注意してください。また、ホームピーリングの頻度は、週1回程度に留めておきましょう。
2. ニキビケア洗顔料を使う
ニキビケア洗顔料には、ニキビの原因となるアクネ菌の殺菌成分や皮脂の分泌を抑える成分が含まれています。ニキビは、毛穴に古い角質と皮脂が混ざったものが詰まり、そこに炎症が起こることで赤くなります。
ニキビケア洗顔料でケアすることで、毛穴に詰まる皮脂を抑えられるため、初期の白ニキビの予防が期待できるのです。そして、アクネ菌を抑えることで、すでにできたニキビに炎症が起こるリスクを低下させます。ニキビケア洗顔料には、デイリーづかいできるものと一定期間ごとに使用するものがあります。
デイリーづかいできるものであれば毎日のケアに使用しても問題ありませんが、一定期間ごとに使用するものを毎日のケアに使用すると、肌トラブルのリスクが上がるため注意しましょう。
3. 収れん化粧水を使う
収れん化粧水は、毛穴を引き締めるもので、毛穴開きによるクレーター肌に効果が期待できます。また、毛穴に古い角質と皮脂が詰まりニキビになるのを防ぐ効果も期待できるため、クレーター肌の方には欠かせない化粧品と言えるでしょう。
収れん化粧水は、通常の化粧水で水分を補給した後に使用します。ただし、ヒアルロン酸やセラミドが含まれており、「水分の補給」と「毛穴の引き締め」の両方の効果がある化粧水の場合は、化粧水→美容液→乳液の順に使いましょう。
4. 肌への刺激が少ない化粧品を使う
肌への刺激が少ない化粧品を使うことで、肌トラブルによるクレーター肌のリスクを抑えられます。エタノールや香料、防腐剤などは肌に刺激を与える恐れがあるため、できるだけ避けた方がいいでしょう。特に、乾燥肌で小さな刺激もトラブルにつながりやすい方は、化粧品の購入前に添加物を十分に確認しておくことが大切です。
ただし、添加物以外の成分が肌に刺激を与えている可能性もあるため、使用中に刺激を感じた場合は無添加化粧品であっても使用を中止しましょう。また、天然成分は肌にやさしいとの噂がありますが、化学物質に対して天然成分の方がやさしいというのは事実ではありません。
天然成分でもアレルギーが起こる場合があるため、慎重に化粧品を選ぶことをおすすめします。
5. 美容液でコラーゲンやエラスチンを補う
肌の弾力を保つコラーゲンやエラスチンを美容液で補うと、たるみをケアできます。肌が垂れ下がることで毛穴が引っ張られてクレーター肌になるリスクを抑えられるでしょう。また、ニキビの炎症が強くなることで真皮がダメージを受けて起こるクレーター肌のケアにも使えます。
コラーゲンやエラスチンが配合された美容液は、化粧水で水分を補給した後に使いましょう。
コラーゲンやエラスチンは肌の奥深くの真皮に存在しており、外部から補うことが難しいという意見もあります。そのため、コラーゲンの材料となるタンパク質を不足させないようにして、身体の中からアプローチすることも大切です。
クレーター肌の治し方・改善方法3個[皮膚科]
クレーター肌に悩む方は、皮膚科を受診することをおすすめします。医学的根拠のある治療を受けることで、クレーター肌を速やかに改善できる可能性があります。皮膚科で行われているクレーター肌の治療法は次のとおりです。
1. ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは、皮膚科で受けられるピーリングのことで、ホームピーリングで使用する薬剤よりも強い薬剤を使用します。洗顔では落としきれない古い角質を取り除くことで、肌のターンオーバーを整えるのです。皮膚科では、ニキビ治療や肌のくすみの改善、毛穴ケアを目的に行われています。
ケミカルピーリングを受けた後は、若干の痛みを感じる場合があります。また、妊娠中や授乳中、光線過敏症、などがある方は受けられないため、まずは自分がケミカルピーリングを受けられるかどうか医師に相談しましょう。
2. レーザー治療
レーザーを肌に照射することで、肌の生まれ変わりを促してニキビ跡や毛穴の開きを改善させる治療です。コラーゲンが活性化することでクレーター肌が改善したり、肌全体がワントーン明るくなったりする効果も期待できます。
レーザーは熱エネルギーのため、照射された際にはパチパチと弾かれるような痛みを感じます。また、日焼けをしていたり、各種疾患があったりする方は受けられません。まずは医師に相談して受けられるかどうか確認しましょう。
レーザー治療後は、肌が赤くなる場合がありますが、半日~1日程度で自然に治まる傾向があります。ただし、使用するレーザーで異なるため、医師の説明を十分に受けたうえで検討しましょう。
3. トレチノインの内服
トレチノインには、肌の新陳代謝を促す働きがあります。肌の新陳代謝が促されることで刺激に強いバリア機能が整った肌へと導かれ、新たなクレーター肌の予防につながるのです。また、ニキビ跡にあるクレーター肌や古い角質の蓄積によるクレーター肌の改善も期待できます。
トレチノインはビタミンA誘導体とも呼ばれ、病気の治療にも用いられる場合があります。さまざまな副作用が起こる可能性もあるため、事前の説明を十分に受けるとともに、何らかの異常が現れた際には服用を中止して医師の診察を受けましょう。
[blogcard url=”https://www.mebiusseiyaku.co.jp/article/archives/807″]
クレーター肌を隠すメイク術3個
クレーター肌は、次のようにメイクで隠すことが可能です。
1. 下地で隠す
皮脂をコントロールできる成分が配合されているノーカラーの下地を使いましょう。毛穴やニキビが気になるところにだけ塗ることがポイントです。
2. コンシーラーで隠す
下地だけで隠れない場合は、自分の肌に合った色のコンシーラーを塗りましょう。少量ずつのせるようにつけることがポイントです。つけすぎは、かえってクレーター肌が目立つため注意しましょう。
3. ハイライトとシェーディングで隠す
ハイライトとシェーディングでメリハリのある顔立ちを表現することで、クレーター肌が目立ちにくくなります。ハイライトは目の下やTゾーン、鼻や顎の下、シェーディングはフェイスラインや鼻の脇に塗りましょう。
まとめ
クレーター肌は、ニキビ跡だけではなく古い角質の蓄積や毛穴開きでも起こります。そのため、これらを改善し、予防するスキンケアや化粧品の使用がポイントとなります。正しい洗顔や保湿ケア、美容液によるケアなどを徹底しましょう。